企業深層研究
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ニデック(下)お家芸のM&Aを駆使、工作機械で世界一を目指すも…気になる後継者問題の行方
ニデックは2030年度に売上高10兆円達成を標榜している。同社の成長の原動力がM&A(合併・買収)である。1984年以降、72件のM&Aを実現。総合モーター会社に変貌した。M&Aはモーターや半導体、…
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ニデック(上)TAKISAWAを“同意なきTOB” 永守重信会長は「M&Aの新たなモデルケースになる」
ニデック(旧・日本電産=東証プライム)は2023年11月、工作機械メーカーのTAKISAWA(旧・滝沢鉄工所=東証スタンダード)にTOB(株式公開買い付け)を実施し、応募があった株式の全てを取得した…
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熊谷組(下)住友林業との資本提携は失敗だったのか? 大手ゼネコンに握られた住宅メーカーの生命線
香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントは今年5月29日、熊谷組の「ガバナンス改革」に関する声明を公表した。 「オアシスは熊谷組の株主の皆さまに対し、戦略検討委員会の設置議案に賛成するよう求…
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熊谷組(上)北海道新幹線のトンネル工事で虚偽報告 31年春の延伸開業が困難な情勢に
日本企業に対して自社株買いの実施や政策保有株式の売却などを求めるアクティビスト(物言う株主)の動きが活発化している。株価純資産倍率(PBR)1倍超えの改革を企業に促す、東京証券取引所の流れは、物言う…
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そごう・西武(下)ヨドバシ進出なら家電“池袋戦争”が勃発する
そごう・西武の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループへの売却は誤算続きだった。家電量販店ヨドバシカメラを傘下に置くヨドバシホールディングス(HD)の影がちらついていたからだ。ヨドバ…
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そごう・西武(上)西武池袋本店は高級ブランドをつなぎ留められるか
そごう・西武は11月1日付で、プラダジャパン前社長のダヴィデ・セシア氏が取締役執行役員副社長に就任した。大手百貨店の役員にラグジュアリーブランド(歴史ある高級ブランド)出身の外国人が就任するのは異例…
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サッポロHD(下)物言う株主は自己資本利益率の低さを問題視
サッポロホールディングス(HD)は2022年11月に26年を最終年度とする中期経営計画を策定した。新中計を巡っては、シンガポールに拠点を置く投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズ(以下3D…
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サッポロHD(上)若者のビール離れに既存ブランドの強化で対応
2023年10月から酒税が改正された。それに合わせて、ビール大手各社が対応策を打ち出した。今回のビール税の下げは、26年に予定される次の改正と合わせ3段階で予定される税制改正の一環だ。 ビー…
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オープンハウスグループ(下)創業社長の荒井正昭は規格外の行動力
オープンハウスグループ(東証プライム上場)の創業社長・荒井正昭(57)はすこぶる気前がいい。 今年2月、東京ヤクルトスワローズのトップスポンサーとして、村上宗隆選手に対し2022年シーズンの…
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オープンハウスグループ(上)“黒い交際”の三栄建築設計を買収、三井住友銀がTOBの橋渡し役に…
オープンハウスグループ(以下オープンハウス=荒井正昭社長、東証プライム)は、戸建て住宅の三栄建築設計(千葉理恵社長、東証プライム)を買収し、完全子会社にした。 8月17日から9月28日までT…
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ツルハHD(下)イオンは再々編にどこまで踏み込むのか…考えられる2つのシナリオ
ドラッグストア業界は、訪日観光客の爆買いがなくなったこと、薬剤師が不足していること、コロナ禍で食品スーパーとの競合が激化したことによって、成長が鈍化してきた。だが、株式市場では脱コロナの流れに乗って…
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ツルハHD(上)株主総会で激突! 物言う株主が仕掛けたドラッグストアの再々編
ドラッグストア業界に再々編の機運が高まっている。業界2位のツルハホールディングス(HD)は8月10日、北海道札幌市で定時株主総会を開き、取締役7人の選任を含む会社提案が可決された。香港の投資ファンド…
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ビジョナリーHD(下)筆頭株主の交代で「プロ経営者」星崎尚彦氏が失脚の顛末
メガネスーパーは1973年、田中八郎が神奈川県小田原市で創業した眼鏡販売店が発祥だ。多店舗展開を進め、2004年にジャスダック市場に上場。最盛期の07年には540店舗、380億円の年間売り上げをあげ…
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ビジョナリーHD(上)の凄まじい権力闘争…前社長の刑事告訴に発展した異常事態
東証スタンダード上場で眼鏡チェーン店「メガネスーパー」を運営するビジョナリーホールディングス(以下VH)は、上場廃止となる危機を寸前で回避した。 2023年4月期決算を7月31日までに提出し…
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日本風力開発(下)「クリーンエネルギーの旗手」から転落で身売りしかないのか
洋上風力発電は再生可能エネルギーの主力電源のエースとして期待されていた。その主役の1社が日本風力開発だった。 社長だった塚脇正幸は1959年7月、京都府生まれ。京都大学を卒業し、三井物産に入…
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日本風力開発(上)受託収賄容疑で逮捕された秋本真利議員との蜜月関係
政府が進める洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、東京地検特捜部は9月7日、元外務政務官の秋本真利衆院議員(48、自民党を離党)を受託収賄容疑で逮捕した。事業への参入を目指す風力発電会社の日本風力開発(…
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イトーヨーカ堂(下)ヨークベニマルを全国屈指の優良会社に育てた大高善興会長の手腕
セブン&アイ・ホールディングスのスーパーマーケット事業は、総合スーパーのイトーヨーカ堂と食品スーパーのヨークベニマル(福島県郡山市)の2本柱である。ヨーカ堂の業績が低迷する中、ベニマルは好調だ。 …
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イトーヨーカ堂(上)食品スーパーのヨークと合併 コスト削減をテコに黒字転換へ
イトーヨーカ堂の親会社、セブン&アイ・ホールディングスの2023年3~5月期連結決算は、営業利益が前年同期比19.9%減の819億円だった。歴史的に高水準だったガソリン価格の下落を受け、ガソリンスタ…
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空港施設(下)国交省OBの人事介入で大騒動に…まさに死屍累々
「国交省元次官、『OBを社長に要求』、空港関連会社の人事に介入か」 この報道を皮切りに、政官財を揺るがす大騒動に発展した。 国土交通省の元事務次官が2022年12月、空港施設の首脳に、…
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空港施設(上)株主総会で大波乱…JALが自社出身の社長を“解任”した裏事情
国土交通省の元事務次官による人事介入が今春発覚した空港施設の株主総会が6月29日にあり、まさかの波乱が起きた。経営側が提案した取締役候補9人のうち、日本航空(JAL)出身の乗田俊明社長(65)の再任…