著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる

公開日: 更新日:

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂は北海道と東北・信越の17店舗を閉鎖すると明らかにした。ヨーカ堂を2026年2月末までに首都圏など都市部中心の営業網に移行する方針を示した。

 閉鎖する17店のうち7店は食品スーパー、ロピアを運営するOICグループ(神奈川県川崎市、高木勇輔代表取締役、非上場)が引き受ける。OICが事業譲渡を受けるのは北海道と青森の各2店、岩手、新潟、長野がそれぞれ1店だ。

 総合スーパーの黄金時代を築いたヨーカ堂が、今売り出し中の、新興、ディスカウントスーパー、ロピアに店舗を譲渡する。新旧交代、小売業界の栄枯盛衰を示す象徴的な出来事と流通業界で評判になった。

「ロピアとは何者なのか」。経済記事より芸能ネタが先行したから、関係者は余計、その思いを深くした。

「カトパンは“令和の激安王”年商2000億円2代目社長に嫁いだ」

 スポーツ新聞、女性週刊誌などに大見出しが躍った。

「カトパン」の愛称で呼ばれるのは、元フジテレビの人気女子アナ加藤綾子さん(当時36)。

「カトパン」を射止めたのは高木勇輔氏。1982年生まれだから、当時39歳。慶応義塾大学経済学部を卒業後、三菱食品での武者修行を経て、父親が藤沢市で創業した食肉専門店「ユータカラヤ」に2006年に入社した。

 ユータカラヤは11年、ロピアに社名を変更した。13年、勇輔氏は2代目社長に就いた。

 売上高は常に15%以上のアップ。高い急成長を続けていた。彼が社長就任当時の13年2月期の売上高(501億円)が、「カトパン」と結婚した21年2月期には、4倍の2068億円になった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし