知っているようで知らない記号やマークの世界 「記号・マーク・ピクトグラム」稲葉茂勝著
「記号・マーク・ピクトグラム」稲葉茂勝著
私たちの周りには、記号やマークがあふれている。その一つ一つの意味を知っているのと知らないのでは大違い。時には命に関わることさえある。
非常口のマークもその一つ。これは文字や言葉を使わずに絵や図で情報を伝える視覚記号「ピクトグラム」の一つで、日本人が開発して、世界に広がったものだ。
ほかにも、命に関わるものには、津波や放射線の危険のある場所、病原体が含まれた廃棄物の存在を示すマークなどもある。
さらに、文字や数字も記号の一種であり、「+」「-」も足し算・引き算の意味で使用するなら記号、「正負」の意味なら符号になるそうだ。
本書は、そんな記号やマーク、さらに符号や目じるし、標識について、多角的に解説したビジュアルテキスト。
人類は、約5000年前の文字の発明よりも前から、記号やマークを描いていたと考えられている。
まずは、記号やマークのような絵文字が発明され、それをもとに、各文明のなかで文字が作られていく過程を概観しながら、記号やマークと言葉との関係を解説。
記号とマークはどちらも「ある内容をデザインであらわしたもの」だが、記号はその背景に社会的な「習慣や約束」がなければならないと考えられている。つまり見せる人と見る人との間で同じ内容をイメージできなければならず、マークではそうした背景はそれほど気にされない。
そんな記号とマークの違いをはじめ、1964年の東京五輪を機に日本で作られ世界中に普及したというピクトグラムの歴史と今、義務教育の各教科に登場する記号やピクトグラム、そしてこれも記号の一種だという「暗号」についてなど。
普段何げなく見過ごしているマークや記号の世界を改めて学ぶ。 (ミネルヴァ書房 2750円)



















