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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

高校生が広告塔になるまでの複雑な駅伝史 実に見事な“本歌取り”には不安がはらむ

公開日: 更新日:

 駅伝の季節だ。師走になれば毎週のように全国大会が感動の嵐を煽る。駅伝は日本固有の種目で、世界の陸上界とさほど関連はない。相撲は千秋楽で終わり駅伝はゴールで完結する。

 全国高校駅伝のゴールで新奇な光景があった。優勝インタビューで、選手たちが協賛企業のバナー(横幕)をかざした。箱根駅伝では選手が契約社のシューズをカメラにかざし、こちらは大学生で意図的だったが、高校生の“広告塔”は、大人に持たされたのだろう。甲子園大会ではあり得ない光景は、だから駅伝、これぞ駅伝と言えるのかもしれない。

 日本が戦後に獲得したメダルの大半はマラソンと競歩で、これらのロード種目への我が国の評価は特殊と言っていい。

 欧米では90年代半ばまで、マラソンは陸上競技ではないとされた。陸上競技=トラック&フィールドの根底にアマチュアリズムがあった。ロードレースはそもそも賞金・賭けが伴う冒険踏破で、何でもありのプロフェッショナリズムは近代五輪の理念と水と油だったためだろう。日本も同じで、箱根駅伝は早々に肉体労働の夜学生を締め出したし、陸連はマラソンと一線を画していた。

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