著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

プロ野球の社会的地位を一変させた長嶋茂雄の存在意義をいま一度噛み締めたい

公開日: 更新日:

 誰にでも長嶋茂雄との思い出が2つか3つはある。

 私が報知新聞に入社すると、発行部数が落ち始めた。私のせいではない。入社は長嶋さんが現役引退した1974年だった。その年の暮れ、新宿伊勢丹で長嶋茂雄写真展が開かれた。

「おい新人、長さんから健さんの談話をもらってこい」

 見習い中の度胸試しだろう。伊勢丹の裏口で車から降りた長嶋さんに駆け寄り「高倉健さんの話を」と切り出した。お迎えの集団に突き飛ばされたのは当然だとして、その中に報知の写真部長もいた。

 仕方がないからゾロゾロついて回った。写真展を見学し、終わったと思ったら昼食。出てきたと思ったらゴルフ売り場で買い物。2時間ほど滞在し、裏口の車に乗り込んだ。(ああ、行っちゃった……)。と、走り出した車が止まり長さんが降りてきて叫んだ。

「さっき、健さんのこと聞いてたの誰かな」

 あれから50年、こんな人に会ったことがない。

 巨人担当でもなく、個人的付き合いもなかったが、監督引退後に雑誌でインタビューしたことがある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差