大坂なおみは「日本人ファースト」をどう思うのか
ここ2、3年、故郷の仙台で大半を過ごしている。気候は温暖だが中途半端に都会的な街だ。
アジアの若者が増え、電車でミャンマーの若者に出会った。介護士の2人は恥ずかしそうに小声で話し、ずっと手をつないでいた。仙台に進駐軍がいた戦後、女性は手をつないで歩いていた……怖かったのだ。
「日本人ファースト」という嫌な言葉が流布している。国籍をかざし、日本語、日本文化、日本の歴史……まず自分たちからやれと高齢者は思う。大坂なおみはどう思っているだろう。
大坂の父はハイチ、母は北海道。3歳まで大阪で育って渡米した。日本語はかなり理解するがしゃべれない。日本文化は知らないが好物はトンカツ。日本協会のお百度参りと三顧の礼で日本国籍を選び、期待に応えて日本選手初のメジャー制覇、それも4度。国別対抗戦で戦い、東京五輪では最終聖火ランナーだ。ところが……。
大手スポーツウェブで、大坂なおみの記事はアクセス数が伸びないという。肯定的記事はダメで否定的記事が伸びる。英語で話す、日本にいない、ファッションが派手、抜群の稼ぎ、人種差別に盾つく、棄権が多い……。


















