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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「伝統」に隠された夏スポーツの矛盾…気候も社会の仕組みも変わったのに“形”だけそのままだ

公開日: 更新日:

 すごく暑い。折からの参院選では「負担増」などと言われ、高齢者につらい夏である。

 そんな中、高校野球の地方大会が始まり、陸上競技の日本選手権も行われた。夏の高校野球は今年が第107回、日本選手権は第109回。高校野球をはじめ陸上競技、テニスなどの大会は昔から暑い中で行われてきたーー伝統である。

 秋田県鹿角市を中心に展開される十和田八幡平駅伝競走全国大会(十八駅伝)は今年で第78回になる。一貫して8月7日に開催され(今年から8月第1土曜)、十和田湖を起点に田園地帯を走る駅伝は逃げ場がない。あまりの暑さにコース脇の水田に頭から飛び込んだ選手がいた。福島が生んだ奇才、宍戸英顕だ。

 箱根駅伝の名物解説者・碓井哲雄さんは4年前の夏に亡くなった。

「なんでか知らねえけどよ、いきなり、入れられたんだ」

 入院先からの電話。ちゃきちゃきの江戸っ子の最後の言葉だった。「屋内熱中症」だったのではないか。家では何もしない典型的“昭和男子”で、奥さんがいないと電灯もつけられないと言っていた。コロナ禍で外出が制限され、水も飲まなかった……箱根の給水に腹を立てた頑固者だった。

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