著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

日本のマラソンに火をつけた山田敬蔵の思い出…戦後80年、忘れていけない足跡がある

公開日: 更新日:

 毎朝、近くのコンビニに新聞を買いに行く。ネットは使い手主体だから情報が自分本位に偏るのだ。若い頃は人と会って考えを洗う機会もあったが、年を取ればそうもいかない。さまざまな話題が載る新聞は考えるヒント、180円は安い。

 8月は特集が濃く、読売新聞「戦後80年 家族の記憶」、朝日新聞「戦争と政治家」などを読みつつマラソンの山田敬蔵を思い出した。

 1953年春のボストンマラソン優勝は、復興に動き出した国内に大きな反響を呼んだ。羽田からの優勝パレード、故郷の秋田県大館では1カ月もしないうちに記念大会が開かれ、半年後には映画「心臓破りの丘」が封切られた。157センチ、43キロの小兵だからなおさら勇気が伝わったのだろう。

 山田さんは、高等小学校を卒業した41年、14歳で第5次満蒙開拓団に参加し海を渡った。応募条件の16歳が14歳に引き下げられた年で、卒業式の前日に決めたという。

「無理やりに行かされたんじゃないですよ。校長先生から『君たちもお国の役に立てるよ。よかったら、そういう道もある』と聞き、自分の意思で決めて行ったんです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  3. 3

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  4. 4

    参政党・神谷宗幣代表 にじむ旧統一教会への共鳴…「文化的マルクス主義」に強いこだわり

  5. 5

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  1. 6

    福山雅治、石橋貴明…フジ飲み会問題で匿名有力者が暴かれる中、注目される「スイートルームの会」“タレントU氏”は誰だ?

  2. 7

    広陵問題をSNSの弊害にすり替えやっぱり大炎上…高野連&朝日新聞の「おま言う」案件

  3. 8

    桑田真澄が「KKドラフト」3日後に早大受験で上京→土壇場で“翻意”の裏側

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  5. 10

    「時代に挑んだ男」加納典明(38)同年代のライバル「篠山紀信と荒木経惟、どっちも俺は認めている」