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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ジャパンOPテニスが空前の観客動員を実現できた背景…手放しで喜べないスポーツ興行の深刻事情

公開日: 更新日:

 男子テニスのツアー公式戦、木下グループジャパンオープンは盛況裏に幕を下ろした。

 全仏と全米を制し、世界ランク1位に君臨するカルロス・アルカラスが初来日で今季8勝目。ファンは“世界の本物”のプレーに新時代を実感できただろう。

 フェデラー、ナダルが去り、先輩2強を合算した〈パワー+精度〉で牽引する22歳の若者。時速215キロ前後のサーブ、定規で線を引くような弾道のフォアハンド。パワーを軸にネット際に落とすドロップショット。クリアされれば縦横に走ってダメを押す……パワー+技術+スピードのテニスは、知的でストーリーに富む錦織とは異なる豪快な作品だ。

 相手のテイラー・フリッツも世界5位で、トップ5による決勝対決は2011年のナダルvsマリー以来だった。準決勝がメジャー準優勝3度のルードの好カードなど、チケットはほぼ連日完売で主催者発表12万1045人――単純比較できないが、錦織が優勝した10年前の倍の動員だった。

 が、喜んでばかりいられない。14年ぶりのトップ5対決、その前は1991年のエドバーグvsレンドルと34年前……東京五輪の無観客はともかく、ファンがトップに触れる機会が極端に減った。

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