錦織圭ツアー通算450勝にこれだけの価値…史上最強の「3強時代」にこの記録を刻み込んだ
錦織圭(35)がマドリード・オープン1回戦でツアー通算450勝を達成した。アジア出身選手では初、現役選手で8人目、快挙と言っていいだろう。
初勝利は2007年のインディアナポリス大会で、18歳になった翌年のデルレイビーチでツアー初優勝を飾った。19年のブリスベン国際まで通算12回ツアー優勝してきたが、450勝の価値はそれが達成された期間にこそある。
フェデラーがウィンブルドンを支配し始めたのが03年、ナダルが全仏で無敵の進軍を開始したのが05年、追ってジョコビッチが駆け上がってきたのが08年の全豪……錦織はテニス史上最強の“3強時代”にこの記録を刻み込んだ。その間にはフェデラーに3勝、ナダルとジョコビッチにそれぞれ2勝。ジョコビッチを倒してグランドスラム決勝に進んだ14年の全米に驚き、ナダルを退けて日本にメダルを持ち帰ったリオ五輪の3位決定戦も、ファンの目に焼き付いているだろう。
その頃、理想の体形は185センチといわれていた。通算450勝の現役選手では、ジョコビッチの188センチ(体重は77キロ)を除き軒並み190センチ超え。シナーやアルカラスを軸に展開する現在は195センチが当たり前だ。身長178センチ、体重73キロの軽量級は故障と戦いながら修羅場をくぐり抜けてきた。