女子テニスはなぜ肌の露出が大きいのか、なぜ賞金は男女同額になったのか
テニスの全米オープンが佳境に入り、38歳のジョコビッチが頑張っている。
黄金の3強時代が終わって若手の認知度は疑わしいが、テニス界は変わらぬ繁栄ぶりだ。
今年の全米の優勝賞金は昨年比39%増の500万ドル、円安とはいえ7億3500万円。優勝するには7回勝たなければならないが、1回戦負けでも1617万円、予選の1回戦敗退でも404万円、セット数が違っても男女同額である。
同額賞金の経緯は別の機会に回すとして、いつも不思議に思うのが彼女たちのウエアだ。端切れほどのスコート、カラフルなアンダースコート(アンスコという)、その下に伸びる長い脚につい見とれる。スコアも忘れて、どっちが勝ってもいいと思ってしまう。
テニスの起源において、女性はコルセットをきつく締め、ロングスカートでくるぶしまで隠してプレーしていた。フランスのスザンヌ・ランランがそれをかなぐり捨て、第1次大戦後の女性の社会進出の象徴になった。
そんなウエアのデザインを手掛けたのが、ランランと親しかったテッド・ティンリンというジェントルマンだ。スコート丈をどんどん縮めた。レースのアンスコからパンティースコートへと調子に乗れば、コートサイドは喝采の嵐。吉田和子(旧姓沢松)もティンリン・デザインのウエアでウィンブルドンダブルス優勝を果たしている。ペアを組んだアン清村と優勝した当時のお揃いのワンピースを見せてもらったことがある。思わず、う~んとうなったものだ。なぜ露出が大きいか。なぜ賞金は高額で男女同額になったかーー勝負は二の次だったからだろう。