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菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

約100年前、ナイターの事始めは黒人リーグだった…背景にエジソンの“大発明”

公開日: 更新日:

 プロ野球に本格的なナイターの季節が訪れる。カクテル光線の下のグラウンドは美しい。この夜間試合は米国で始まり、仕事帰りの多くのファンが観戦することとなったことから球団に多額の収入をもたらした。

 その歴史は古い。

 米国のナイターは大リーグの試合から始まったというのが通説だが、実は黒人リーグの方が早く電灯の下で試合を行っている。

 1929(昭和4)年のことで、カンザスシティー・モナークスというチームが発電機と電球を付けた支柱を運んで試合をした。1年後に他のチームが本拠球場に照明装置を設備し、リーグの観客が増えた。

 これで人気が出た黒人リーグを見た大リーグの中で真っ先に動いたのがシンシナティ・レッズだった。GMのラリー・マクフェイルが陣頭指揮を執ってホーム球場に照明を設置。35年5月24日のフィリーズ戦で、フランクリン・ルーズベルト大統領が電信機のキーをたたくと球場が明かりで輝いた。これがメジャー初のナイトゲームである。

 野球の試合がナイターで行われるようになったのは、発明王で知られるトーマス・エジソンのビジネスが絡んでいる。ジョセフ・スワンという人物が発明した白熱電球を利用し、エジソンは配電システムを構築。ナイターはそうして実現したのだった。エジソンはシンシナティのあるオハイオ州生まれだから縁があったのだろう。

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