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菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

世紀のトレード仕掛けた伝説のスカウト“マムシの一三”…阪神・小山正明↔大毎オリオンズ山内一弘

公開日: 更新日:

 この4月18日に亡くなった通算320勝の小山正明は、球史に残る“世紀のトレード”の主役だった。「針の穴を通すコントロール」との異名を取った阪神タイガースの大エース。交換相手は「シュート打ちの名人」こと大毎オリオンズの山内一弘。ともに技術の職人。1963(昭和38)年の暮れも押し迫った12月26日のことである。

 のちの取材で探し当てたのが青木一三という人物。阪神スカウトから大映・大毎・毎日・東京のスカウトに転じ、くだんの大型トレードを仕掛けて成功させた男である。その頃、東京は成績低迷を打開するため本堂安次監督が「守り重視」を打ち出し、あのミサイル打線を解体、投手補強を図っていた。そのうえ、オーナーの永田雅一は大映映画の社長(大風呂敷から異名はラッパ)でもあったから「世間をアッと言わせる出来事」を望んだ。

 青木は阪神の裏事情に精通していたことから小山の存在を耳にした。「一言居士」に「フロントとの関係」というものだった。62年の2リーグ制後初優勝の時、27勝を挙げながらMVPは25勝の村山実。記者投票に日頃の評価が表れたのである。阪神はこれに悩んだ。

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