著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

長嶋茂雄と並ぶゴールデンボーイ 悲運の“ムリ・トオル”…わがまま、短気、ゆえに早とちりのバットマン

公開日: 更新日:

 今年6月3日に89歳で亡くなった長嶋茂雄は立大から巨人入りし、「ゴールデンボーイ」と呼ばれた。

 実はもう一人、そう呼ばれて騒がれた早大のスラッガーがいた。中日入りした森徹(もり・とおる)で、東京六大学リーグで打ち合った同期生である。

 2人は、優勝した1955年(昭和30年)のアジア選手権で2年生ながら東京六大学選抜の3、4番を任され、「NMコンビ」を形成した。

 森は資産家の息子で学力優秀。早稲田学院高、早大を通じて特待生。加えて柔道の猛者でオリンピック代表にも勝つほどの実力者だった。文武両道のうえ、後見人はプロレスの大ヒーロー・力道山。文字通り“怖いものなし”の学生だった。

 その森は、巨人から誘いがあったのに蹴った。「巨人の大幹部が学生に高い契約金を出せるか、とマスコミに言った。ふざけんな、と(入団を)断ったんだよ」と語っている。

 中日に入団したのは、「長嶋-森の3、4番を予定している、と言われたから。長嶋は中日入り、という話を聞いていたからね。ところが、長嶋は巨人に行っちゃった」とこれも本人が証言している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」