著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

ドジャース大谷翔平でも到底及ばない「MLBホームラン記録」がある

公開日: 更新日:

 メジャー通算1000安打を本塁打で達成した大谷翔平。メモリアルの活躍は長嶋茂雄をほうふつさせる。大谷の魅力は大きなホームランで、今季の最長は137メートル。昨年は140メートル級が数本、6月のロッキーズ戦では145メートルだった。日本のメディアはそのたびに大騒ぎしている。

 けれども、大リーグのオールドファンはこう言うだろう。「おい、おい、ミッキー・マントルを忘れちゃ困るぜ」と。

 1950~60年代のヤンキース黄金時代のスラッガーのことである。デトロイトに遠征した60年9月、タイガース相手にタイガースタジアムで放った右越えの一打は飛距離195メートルという一撃だった。これはベーブ・ルースの175メートルを20メートルも超えるもので、ギネスブックに「史上最長本塁打」として載った。

 ホームランといえば、ルースやハンク・アーロン、バリー・ボンズらが取りざたされるのだが、飛距離の伝説となるとマントルの独壇場である。 伝説の始まりはメジャー3年目の53年4月だった。ホワイトハウスのあるワシントンでのセネタース戦の五回表。左中間に放った一打は球場を飛び出し、はるかかなたまで飛んだ。駆け付けたヤンキースの広報担当者が、ボールを拾った少年から落下地点を聞き、巻き尺で測った結果、172メートルと判定された。この巻き尺計測から、場外大ホームランを「テープメジャーショット」と呼ぶようになった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    巨人の“お家芸”今オフの「場当たり的補強」はフロント主導…来季もダメなら編成幹部の首が飛ぶ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 5

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  1. 6

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  2. 7

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  3. 8

    米倉涼子に降りかかった2度目の薬物疑惑…元交際相手逮捕も“尿検査シロ”で女優転身に成功した過去

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで