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菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

負けてから没収試合→勝利認定、おかげで初優勝した“お化け実話”

公開日: 更新日:

 プロ野球のペナントレースにとって9月は最終盤、中秋の名月の頃は大詰めとなる。注目はむろん優勝争い。90年に及ぶ歴史ともなると、ウソのようなホントの出来事も少なくない。今回は、負け試合が勝ち試合に化けて優勝となった──という話を紹介しよう。

 太平洋戦争が終わって間もなく再開された、1946(昭和21)年のペナントレースだ。巨人阪神、阪急、中部日本、セネタース、ゴールドスター、パシフィック、グレートリングの8球団が国内にいた選手、復員の選手を片っ端からかき集めた。選手登録で最も多かったのが巨人で30人、あとは25人前後だった。

 メンバーを見ると、指導者の選手兼任が多かった。巨人などは藤本英雄監督が投手、中島治康コーチが外野手を兼ねた。グレートリングの山本一人監督、阪神の藤村富美男監督、中部日本の杉浦清コーチはいずれも内野手、ゴールドスターの坪内道則監督は外野手をそれぞれ兼任している。

 このシーズンは優勝がグレートリングで65勝38敗2分け、勝率6割3分1厘。2位の巨人は64勝39敗2分け、勝率6割2分1厘。ゲーム差は1だったのだが、グレートリングは「1敗が1勝に化けた」おかげで初優勝という“お化け実話”があったのだ。

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