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菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

伝説的なヤジに反発した鈍足本塁打王・野村克也がホームスチール! 実は7度も本盗成功している

公開日: 更新日:

 テレビの時代劇を見ていたら「火事と喧嘩は江戸の華」と懐かしいセリフ。これで思い出したのが「ヤジと乱闘はプロ野球の華」。昭和プロ野球は個性派が多く、グラウンドでは力自慢に業師がゴロゴロ、遺恨試合はザラ、スタンドからはヤジの応酬ーーと異常な熱気で盛り上がった。

 そのヤジで思い出した試合がある。1972(昭和47)年5月18日の阪急-南海戦、場所は京都の西京極球場。

 半世紀以上も前の試合がすぐ頭に浮かんだのは、最も記憶に残るヤジと鈍足本塁打王の満塁からのホームスチール成功が重なったからだった。

「人気のセ、実力のパ」と評された時代。パの試合の多くは観客が少なく、ヤジの声がよく通った。なにしろ「寝ながらご覧になれます」と冷やかされたほど空席ばかりで、外野席はカップルのお楽しみ場でもあった。

 プレーボールとなって間もなく、阪急側のスタンドから声が飛んだ。

「おーい、南海ホークスよ、デパートがないのはおまえんとこだけやで」

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