二刀流ベーブ・ルースの最終登板は38歳・完投勝利…投手として通算10シーズン94勝46敗
二刀流・大谷翔平が記録を打ち立てるたび、その名が取りざたされるベーブ・ルース。レッドソックスからヤンキースに移籍した1920(大正9)年から本格的に打者一本となった「野球の神様」は、35年の現役最終年まで本塁打を打ちまくった。
では、投手としてはどうだったか。最後の登板を完投勝利で飾っていることはあまり知られていない。
33(昭和8)年10月1日のシーズン最終戦。ヤンキースタジアムでのレッドソックス戦に先発し、12安打を浴びながら9イニングを投げ切り、6-5で勝利。シングルヒット11、四球3、奪三振ゼロと、打たせて取る技巧が冴えた。
五回裏には自ら34号本塁打を放って6-0。結果的にその一発が決勝点になったことになる。年齢は38歳8カ月だった。
この頃のルースは衰えがはっきりし、翌34年は22本塁打。加えて監督の名将ジョー・マッカーシーと折り合いが悪く、ヤンキースは頭を悩ませていた。その上、マッカーシーの契約がこの年限りで終わることを見越し、後任監督の野望を持っていた。