“球界の天皇”のメンツを丸潰れにした入団拒否事件…「契約金1.5億円」「生涯身分保障」まで蹴った
「契約金1億5000万円、年俸1500万円」「引退後は本社入社で生涯の身分保障」──こんな夢のような2大条件を蹴っ飛ばしたドラフト1位選手がいた。
指名直後に交渉拒否したのは亜細亜大の左腕エース小池秀郎。相手はロッテで、監督は400勝投手の金田正一。1990年秋の出来事である。
この年のドラフトの目玉だった小池は、東都大学リーグで通算63試合28勝14敗、防御率1.45、奪三振394。「奪三振マシン」の異名を取り、4年時には春秋連覇と抜群の実績を残した。ドラフト会議でセのヤクルト、中日、阪神、広島、パの西武、ロッテ、日本ハム、近鉄と、前年の野茂英雄と同じ8球団から1位指名を受け、抽選で交渉権を得たのはロッテだった。
小池は、「今は何も言えません。頭が真っ白です」。そして、「ロッテの方と会うことはありません」と拒否宣言。この瞬間、裏面史に残る“小池騒動”が幕を開けた。
亜大の矢野祐弘監督は怒りの言葉を吐いた。
「ロッテには指名しないで、と伝えてあり、了解してもらっていた。それなのに約束を破った」


















