著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

魚雷バットの理屈と重なる「流線形打線」…“魔術師”と呼ばれた名将が70年前に証明していた

公開日: 更新日:

 開幕3連戦でヤンキースが1試合9本を含む15本塁打を放ったことで表舞台に登場した“トルピードバット”。日本でも注目の“魚雷バット”である。先端が細く芯が太い形状で、2023年に米国の物理学者だった人物が発明したという。

 理屈は「ボールをとらえる芯のあたりを太くする」。重くなるのを避けるため先端を細めにしたそうである。このバットの形を見て思い出すのは理論派の名将としてその名を残す三原脩の“流線形打線”である。

 西鉄ライオンズの監督時代、理想の打線を組むために考案したもので、得点能力を図に描いた。

 1、2番から太くなって打線の中心である3、4番打者の部分がもっとも太くなり、5番から下位に向かって細くなっていく。魚雷バットとそっくりである。

 三原は「打順は得点能力をいかに効果的に発揮できるかで編成する」と語っている。勝負は相手の機先を制することが大事で、1番に高倉照幸、2番に強打の豊田泰光を置いた。大谷翔平が2番を打っていたことと同じである。続いて大打者の中西太、大下弘を3、4番に。西鉄黄金時代をこの理論で1950年代半ばに完成しているのだが、70年前のことだった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  2. 2

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    市船橋(千葉)海上監督に聞く「高校完全無償化で公立校の受難はますます加速しませんか?」

  5. 5

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  1. 6

    プロ志望の健大高崎・佐藤龍月が左肘手術経てカムバック「下位指名でものし上がる覚悟」

  2. 7

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  3. 8

    石破首相が「企業・団体献金」見直しで豹変したウラ…独断で立憲との協議に自民党内から反発

  4. 9

    長渕剛がイベント会社に破産申し立て…相次ぐ不運とトラブル相手の元女優アカウント削除で心配な近況

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希“ゴリ押し”ローテ復帰が生む火種…弾き出される投手は堪ったもんじゃない