地球環境待ったなし(3)大停電や通信途絶を引き起こす「宇宙災害」の脅威に迫る
「怖い宇宙」片岡龍峰著
ネパールの大洪水や欧州の熱波から千葉の線状降水帯まで、地球温暖化はいまや待ったなしのヤバさだ。
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「怖い宇宙」片岡龍峰著
地球環境の問題は宇宙の問題でもある。特に2020年代後半は60年ぶりに月へ行く計画があり、30年代にはついに人類が火星に降り立つ挑戦が予定されている。本書はこの地球を宇宙全体の中に位置づけるための見取り図を読者に提供すると意気込む沖縄科学技術大学院大学の研究員による解説だ。
特に気になるのが宇宙災害。本書はそのフローチャートを図解で示す。頂点にあるのは太陽黒点。黒点は非常に強い磁場をなす。本書はそこで生じる「巨大太陽フレアと磁気嵐の脅威」(副題)のメカニズムを分かりやすく説き起こす。といってもサイエンス系の新書は理系に強い興味を持つ若者たちに向けたものゆえ、結構ガチに専門的な区別もしながらだ。現に太陽の活動次第では「パーフェクト・ストーム」が世界中の主要都市で同時多発的に大停電を引き起こし、あらゆる高度な通信手段が途絶する。社会のIT化が進めば進むほど宇宙災害は無視できない身近な自然のリスクとなっているのだ。
「危険で爆発的な、太陽という熱源の生み出すプラズマの世界、荒ぶる宇宙の真っただ中に、危うくも文明を築いている」のが人類なのだ、という序文のことばは宇宙に魅せられた著者のロマンの表れだろう。 (早川書房 1320円)


















