「世界史で読み解く現代ニュース〈宗教編〉」池上彰、増田ユリヤ著

公開日: 更新日:

 政治、経済、歴史などさまざまな視点から今のニュースを読み解いている池上彰氏。今回のテーマは「宗教」である。「ワイドスクランブル」(テレビ朝日系)のニュース解説コーナーでコンビを組む増田ユリヤ氏との共著だ。

「ニュースの背景に宗教があることは多いんです。例えば、イスラム国がなぜあんな蛮行を繰り返すのか。まさに現代に宗教原理主義の国を作ろうとしているわけです。彼らの狙いは、宗教を知らなければ理解できません」(池上氏)

 本書はイスラム教、キリスト教、ユダヤ教という3つの一神教を取り上げているが、その成り立ちや歴史は、現代社会に深く影響を与えている。

「いまニュースになっている現象を考えるとき、歴史の初期にまで遡って見る必要があります。イスラム教はスンニ派とシーア派で対立していますが、初期のムハンマドの後継者の決め方が宗派の分裂につながり、今日に至るまでの火種になっているのです」(増田氏)

 同じイスラム教徒なのにスンニ派とシーア派が殺し合いをしているのは、そうした歴史が理由だ。だからスンニ派のイスラム国にとってシーア派は絶対的な敵だが、キリスト教徒とユダヤ教徒は同じ経典の民として保護しているというから驚く。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒