なぜプロ野球二軍の移転先公募に自治体が殺到? 米マイナーに学ぶ“球団は町の一軍”の成功例
市はその後、700万ドル以上を投じて球場を改修。2011年に球団を買収した投資家アンドリュー・バーリン氏も、売店や遊戯施設などの改修に、まず400万ドルを投じました。市は周辺用地の取得や基盤整備も進め、民間投資を呼び込む土台をつくりました。行政の投資に、民間の資金と商売の知恵が重なり、古びた球場が家族で楽しめる場所に変わったのです。
19年には、バーリン氏側が約2200万ドルを投じた121戸の集合住宅と飲食・商業区画が球場隣に完成。今年は今度は市が公的資金で約4800万ドルを投じ、2階席やイベント施設も増設しました。1987年開場の同じ球場を、使い方ごと更新しているのです。球場そばの旧ユニオン駅(かつての市中心部の主要駅)にも、旅客鉄道を呼び戻す計画が進んでいます。
もっとも、町全体の再生を球場だけの手柄にはできません。周辺には今も空き地が残り、再開発は途上。それでも、かつて人が近づかなかった一角に、住み、食べ、集う理由が生まれた。その変化は、22年前を知る身には鮮やかでした。
球場の中も負けていません。現在はカブス傘下A+のサウスベンド・カブスの本拠地。私が訪れた日は、愛犬と入場できるドッグデーでした。さまざまな犬種が集まり、珍しいホワイトシェパードも。飼い主同士は犬自慢に花を咲かせ、犬は試合そっちのけで吠え、柱へのマーキングにも余念がない。犬が飼い主を球場に連れてくるわけです。


















