ケガだけじゃない…時代とも闘い続けた錦織圭の終幕
両手打ちはかつて、非力な女子選手のスタイルだった。芝からハードコートへ、用具の開発に伴うパワー時代到来で、両手打ちの台頭は必然だっただろう。変わったのはプレーだけではない。
センサーの出現でネットタッチを判定する副審は消え、最大9人のラインジャッジもいなくなり、ショットクロックがサーブをせかし、皆でチャレンジ映像を見上げ……キング夫人の時代は、コートチェンジに腰かけるベンチもなかったという。選手は時代とも闘うのだ。
錦織は引退会見で「ケガとの闘いでした」と振り返った。
いまや身長195センチの時代だが、錦織は178センチ。技術とセンスでパワーに立ち向かうには展開勝負になり、試合は長引く。錦織は4大大会とデ杯の5セットマッチで29勝(8敗)した。
ジョコビッチの40勝(11敗)に次ぐ勝ち星はファンを魅了した一方で、肉を切らせて骨を断つ戦術がケガを招いた。
デ杯が3セットに短縮されたのは錦織の体がボロボロだった2019年からだ。いま、4大大会のセット短縮も俎上に載っている。時代がもう少しズレていれば……。
それにしても、5セットマッチでの高い勝率に気付いたのはキャリア終盤の6年ほど前だったという。いかにもおおらかな錦織らしい。



















