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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

W杯の大団円に思う“アイデアの壁” 「百年構想」から33年…地場=ホームは道半ば

公開日: 更新日:

 ワールドカップ(W杯)が終わった。うさんくさい話題も多かったが、FIFAは満足だろう。増枠されながら世界ランク上位4カ国がそろって4強に勝ち上がり、1位と2位の息詰まる決勝戦……実力はしっかり反映された。これで参加国を64に増やす案に弾みがつけば、日本には苦しい流れになる。

 Jリーグが旗揚げしたのは1993年だった。その前年だったか、サッカー誌「イレブン」の編集長だった故手塚宣武さんと、高校サッカーの名門・帝京高校の古沼貞雄監督を訪ね、プロ化や高校サッカーと対立しかねないクラブ制への考えを聞いたことがある。古沼さんは穏やかに2つの話をしてくれた。

「高校の選手は勉強が苦手かも知れない。授業も分からんでしょう。でも教室にはサッカーにまるで興味がなく、マラドーナなんか知らない生徒も大勢いるんです。社会に出るまでの大事な経験だろうと思うんです」

 プロ化に対してはこんな話をしてくれた。

「たまに歌が上手で、私は美空ひばりのようになりたいという生徒がいます。野球が好きで長嶋のようになるんだという子もいる。なれませんよ、まずね。でも、そう思わない子供は絶対になれない。サッカーのプロ化はそういう夢をくれるかも知れない」

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