森保監督に「俺、PKが下手そうに見えますか?」 21歳FW塩貝健人が貫く“ビッグマウス”の覚悟
初ゴール後に“黙れ”パフォーマンス
さらに所属するブンデスリーガのヴォルフスブルクが今シーズンから2部へ降格し、塩貝自身も無得点が続いている。それでも第3次森保ジャパンが船出する今シリーズに招集された件に対しても心ない言葉が届けられた。
「僕自身は全然気にしていなかったですけど、身近で僕を支えてくれた家族や親戚はブラジル戦の後などはすごく気にしていたし、それが一番悔しかった」
こんな思いを抱く塩貝の答えが、初ゴール後のパフォーマンスだった。右手人差し指を口元に当てて"黙れ"と伝えた意味を、このように語っている。
「僕もすごく悔しい思いで過ごしてきたので、そのなかで僕のあのゴールで黙らせる……黙らせるというわけじゃないですけど、そんな意味がありました」
当然ながら"黙れ"パフォーマンスも批判された。それでも塩貝は続ける。
「僕のスタイル的に結果が出ないと批判が多くなるのはわかりますけど、それはトップトップに行く上でつき物だし、僕自身、このスタイルを変えるつもりはない。結果が出ていなくても目標を常に高く持って、自分の思いを言い続けたい」
組織や常識という枠からはみ出そうになると、決まって同調圧力が作用したかのような状況が生まれ、批判などを介して抑え込まれる風潮が日本にはある。
塩貝が指揮官にPK戦の順番を確認したのも、絶対的な結果を残すエーストライカーを一方的にライバル視したのも、もしかすると枠からはみ出す行為に映るかもしれない。 それでもすべてを一緒くたにして封じ込めてしまえば、スケールの大きな選手は生まれない。何よりも塩貝の言動を先輩選手たちが認めている。
たとえば後半38分から途中出場したウルグアイ戦で決勝ゴールを決める前に、塩貝は単独突破を図り過ぎて相手ゴール前で潰されるシーンが2度続いた。
「ゴール、ゴールと思うとボールしか見えなくなる。実際、両方の場面で僕には周囲が見えていなかった。味方を使わなかったというより、ボールウォッチャーになり過ぎて周囲を使えなかった、という表現が正しいと思っている」
試合後に名波浩、長谷部誠両コーチから意図を確認されたプレーを素直に反省。直後に周囲を使い、自身のゴールへとつなげたプレーを、上田も「考えながら冷静に判断していた」と称賛しながらも、こんな言葉を続けている。
「アスリートとしての思考力はものすごく高いと僕は勝手に思っている」
いわゆるビッグマウスはあえて退路を断ち、いい意味で自らにプレッシャーをかける。
日本代表に久々に現れたメンタルモンスターは、ピッチ上でのパフォーマンスをさらに追いつかせるべく、静かに爪を研いで次なるゴールを狙っている。



















