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藤江直人ノンフィクションライター

1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「SPORTS Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーW杯は22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。

露呈したJFAの迷走…退任通告から一転の「不可解人事」は森保監督得への敬意を欠いている

公開日: 更新日:

 あらためて振り返れば、突っ込みどころが満載の日本代表監督人事だった。

 ノックアウトステージ初戦でブラジル代表に逆転負けを喫し、目標に掲げていた優勝に遠く及ばないベスト32で敗退した北中米W杯から帰国した7月2日。

 森保一監督とともに都内で帰国報告会見に臨んだ日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長は、次期日本代表監督の人選を問う質問に次のように答えていた。

「代表監督を決める手順が決まっている。技術委員会や強化部会で大会の振り返りや総括をした後に、会長と技術委員長、そして会長が定める者による会合で(候補者を)決めてから理事会で決議される。しっかりと手順を踏まないなかで仮定の話をするのは、今日に関してはできないと思っています」

 しかし、この時点で次期監督として森保監督の続投がすでに内定していた。

 森保監督が前例のない半年間の短期契約をJFAと結び、史上最長をさらに更新する3期目の続投が承認されたJFA理事会から一夜明けた7月24日。 都内のホテルで記者会見に臨んだ宮本会長は今年3月の時点で、北中米W杯限りでの契約満了および退任を森保監督自身に告げていたと明かした上でこう続けた。

「5月にもう一度話をする機会を作り、森保さんに『アジア杯までやってもらう可能性はありますか』と伝えしました。それが今回のタイムラインです」

 つまりW杯を目前に控え、選ばれた選手たちが必死に調整しているなかで、森保監督は来年1月のアジア杯サウジアラビア大会までの続投が決まっていた。

 何よりも一度は退任を告げながらも続投を要請する。2期8年にわたって指揮を執った森保監督に対して、あまりにも敬意を欠いていたのではないか。

 宮本会長と山本昌邦技術委員長、そして宮本会長が指名した西野朗・元日本代表監督の3人が決めた次期日本代表監督候補者、つまり森保監督は、15人で構成される理事会は満場一致で決議されたのか。

 理事会後のブリーフィングでこう問われたJFAの湯川和之専務理事は「決議された、ということです」とだけ答えた。

 つまり票が割れた可能性も捨て切れず、JFAのトップが見せた監督人事における迷走ぶりが、今後の組織運営に大きな影を落とす点も否定できない。

 3月以降の2カ月間に、宮本会長は外国人監督の招聘を模索したとも明かす。

「W杯以降の監督を考えるなかで幅広い候補から検討する必要があると考え、そういった外国人監督のリストをもとに議論したこともあります」

 候補には母国の豪州代表や横浜F・マリノス、英プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーなどを率いたアンジェ・ポステコグルー氏らが挙がったとされる。

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