シネマの本棚
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                         大事故の謎に迫ったルーマニアのドキュメンタリー大手マスコミが報じない事の真相を非主流派メディアが果敢に追及して暴く――。いえ、日刊ゲンダイの話じゃありません(笑い)。 ルーマニアの新聞「ガゼタ・スポルトゥリロル」(その名も「スポーツ新聞… 
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                         選挙の惨状を風刺した傑作コメディー世界中で政治の劣化が絶えない。どこかの国では首相が2代続けて“政権投げ出し”に走る始末だが、「デモクラシーの本家」を自任するアメリカだって「アフガン撤退失敗」の大報道の陰で、地方自治体の選挙法改悪を… 
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                         ひとりよがりの男文化にお灸を据える艶笑喜劇ノエル・カワードといっても今や知る人も少なかろう。大学の若手ブンガク教授連でも今どき愛読者を名乗るのは頭でっかちの俗物に決まってる――なんて冒頭から毒づいてしまったが、カワードは戦前のロンドンとニュ… 
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                         50年前の伝説の音楽フェスのドキュメンタリー五輪のから騒ぎが終わって戻ってきた長く暑い夏。「ロング・ホット・サマー」といえば現代史では1967年夏、アトランタとボストンから全米に飛び火した人種蜂起のことだ。さらには64年の公民権法から「ワッツ… 
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                         中華街が舞台の家族史ドキュメンタリー米中対立が激化の一途という報道に、ふと、むかし横浜っ子の先輩に聞いた中華街の話を思い出した。およそ300軒もの中華料理店の並ぶあの街は、かつて「大陸派」と「台湾派」に分かれて互いに反目していたという… 
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                         冷戦期台湾の「白色テロ」の歴史を学園ホラーに台湾といえば「親日的」が大方の日本人の先入見。しかし敗戦後間もない時期の日台関係は波乱含みで、渋谷警察と愚連隊がつるんで在日台湾人集団と争った「渋谷事件」など、国内でもけんのんな事例は珍しくなかった… 
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                         画面にあふれる空気はまぎれもなく70年代外国の友人に「東京ほど映画に恵まれてる街はないね」と言われたことがある。話題の娯楽大作はむろん、ヨーロッパ系や邦画専門の名画座、アート系のミニシアター、映画アーカイブまで、多様な映画を街中でやってる… 
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                         孤島に来た若手灯台守が奴隷扱いされ…サイコスリラーというジャンルはもはやホラー映画の域を超えたらしい。むしろ時代の無意識を託す一種の文学的ジャンルとでもいいますか。その好例が7月9日封切りの「ライトハウス」である。 北大西洋の… 
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                         ダンサーらが繰り広げる不思議な時空天才肌だが神経質な男が、年をとって円くなる。よくある話だが、円くなっても豊かになるとは限らない。その稀有な例外を見せてくれるのが先月末から公開中の「アメリカン・ユートピア」だ。 実はこの映画… 
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                         男たちを手玉に取る小悪魔ぶりが今回も話題演芸場や劇場は営業再開を許可したのに映画館は休業という東京都の方針に、映画界から強い不満の声が出ている。一方、単館系ミニシアターでは制限下で知恵を絞って「通」の目を引く企画が目立つ。 たとえ… 
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                         四半世紀前の実写版をアニメにリメークふつう、映画のリメークは同じ話を別のキャストや監督で製作したり、よその国で映画化したりすることをいうが、同じ物語を四半世紀も経って同じ監督が、しかも実写をアニメに変えてリメークする。これはかなり珍し… 
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                         ニューヨークの古書店を活写するドキュメンタリーコロナ禍でアマゾンに押されっ放しの小売業界だが、元はアマゾンもネット書店。海外書籍の入手しやすさで最初に大学教員らが飛びついた。おかげで昔ながらの洋書店が干上がり、独自の選書眼で鳴らした東京堂書店の… 
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                         左翼運動をふりかえる異色のドキュメンタリー香港にせよミャンマーにせよ、権力に抵抗する現代の社会運動が米国のウォール街占拠などに方法論を学んだSNS時代の世界的現象なのは確かだろう。だが例外が日本。権力の不祥事が絶えないのにニッポンだけは無風… 
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                         オウム広報部長・荒木浩と監督自身の「対話」詩人エリオットに倣っていえば3月は残酷な月。3・11ばかりではない。20日は地下鉄サリン事件の日なのだ。 ただしあの事件の1年以上前から米国留学中だった筆者にとって事件は理解不能。直前の阪神… 
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                         “カエルのペペ”がネトウヨのお気に入りになるまで1月6日のトランプ支持者による米議会襲撃事件以来、あんなたわ言に踊らされる人間の心をずっと考えている。 「負けなんか認めない。行進しよう。俺も一緒に行く」 そうたきつけて自分はさっさと… 
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                         風光の地・富陽を舞台に描く一族の哀楽盛衰ちかごろテレビの衛星放送では中国の連続ドラマを多数放映している。それを見ると話の筋はともかく、セットと照明に金がかかっているのがわかる。映画は「絵」。その絵づくりを支えるのが「富」だ。 では… 
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                         陰謀論の“元祖”をあつかった異色のドキュメンタリー選挙に負けた腹いせに、荒くれの支持者たちをあおって連邦議会を襲撃させる蛮行に走ったトランプ。 あきれた話だが、哀れなのは「俺も一緒に行くぞ」とあおられたあげく、見捨てられたのも知らず議事堂で… 
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                         天然無類の叔父が醸し出す静かな躍動感が魅力こんな世の中だからせめて静かな映画を見たい。「鬼滅の刃」も結構だが、人の世の不条理から静かに目を反らさない物語に触れたい。 今月末封切りの「わたしの叔父さん」はそんな映画だ。 デンマ… 
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                         「職業現場」としての映画で裏方として活躍文学部とか国際ナントカ学部などで女子学生が卒論のテーマにしたがるのが「プリンセスアニメの変容」。昔の「キスを待つ」お姫さまから「自立した女」への変化、という思いつきだ。だがこの手の発想は大抵、映画を… 
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                         イザベラ・ロッセリーニらが語るクリエーティブの秘密今年が生誕100年というので映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」が先週から公開されている。それを見ながら1980年代を思い出していた。ドイツ人のニュートンは同じファッション写真家のR・アベ… 

 
                             
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                     
                     
                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
         
         
         
         
         
         
        