認知症を10年先送りするのに必要なことは? 発症を最大12.6年延長
認知症に対する薬物療法は、病状の進行を遅らせる効果にとどまり、低下した認知機能を改善させるような根本的な治療法は存在しません。一方、認知症の発症予防については、数多くの研究が報告されていて、糖尿病や高血圧、喫煙などは認知症の発症リスクを高める要因として知られています。
ただし、これまでに報告されている研究の多くは、認知症の危険因子や発症率などに焦点を当てており、認知症の発症を先延ばしできる期間について詳しいことは分かっていませんでした。そのような中、認知症を発症するまでの期間を調査した研究論文が、米国神経学会の公式誌に2026年8月5日付で掲載されました。
米国で行われたこの研究では、55歳以上で認知症の診断を受けていない1万2409人(平均56.2歳)が対象となりました。認知症の危険因子である糖尿病、高血圧、喫煙状況について調査を行い、これら危険因子を保有することと、認知症の発症との関連性が分析されています。
中央値で26.3年にわたる追跡調査の結果、認知症の発症リスクは、危険因子をまったく有さない人と比べて、1つ有する人で1.21倍、2つ有する人で1.67倍、3つ有する人で2.69倍、統計学的にも有意に増加しました。


















