著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

週に1回のチーズで認知症を予防⁉ 8000人対象の日本の研究

公開日: 更新日:

 高齢化が急速に進んでいる日本では、65歳以上の12.3%にあたる440万人が認知症を患っていると推計されており、2040年までに580万人に達すると予測されています。

 認知症の増加は、患者やその家族だけでなく、医療や介護といった社会的なインフラにも大きな負担をかけます。一方、認知症の治癒が期待できる治療法は存在しません。それゆえ、認知症の予防アプローチに対する関心は高く、特に食習慣と認知症の関連性について、さまざまな研究が行われてきました。

 そのような中、チーズの摂取量と認知症の関連性を検討した研究論文が、栄養学の専門誌に25年10月25日付で掲載されました。日本で行われたこの研究では、65歳以上の高齢者7914人が分析対象となりました。

 研究参加者のうち、週に1回以上チーズを摂取する人をチーズ摂取群、チーズをほとんど、もしくはまったく摂取しない人をチーズ非摂取群と分類し、2つの集団で認知症の発症率が比較されています。なお、研究結果に影響し得る年齢、性別、教育水準、世帯収入などの因子について、統計的に補正を行い解析されています。

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