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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

「卵」を食べる頻度が高いほど認知症の発症リスクが低くなる

公開日: 更新日:

「卵は1日1個まで」──。そんな話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。かつて、卵はコレステロールの多い食品として敬遠されることもありました。

 しかし近年、その評価は大きく変わりつつあります。今回、また新たに「脳の健康」との関係を示す研究が報告されました。米国の研究グループが、65歳以上の約4万人を平均15年以上にわたって追跡調査を行い、卵の摂取頻度と認知症(アルツハイマー病)発症との関係を詳しく分析したところ、興味深い結果が浮かび上がったのです。

 卵をほとんど食べない人と比べると、月1~3回食べる人はリスクが17%低下、週2~4回食べる人はリスクが20%低下、週5回以上食べる人はリスクが27%低下という結果が得られました。つまり、卵を食べる頻度が高いほど、アルツハイマー病の発症リスクが低くなるという傾向が認められたのです。さらに卵をまったく食べない人は、少量でも定期的に食べる人に比べて発症リスクが高いことも示されました。

 では、なぜ卵が脳によいのでしょうか。注目されているのが、卵黄に豊富に含まれる「コリン」という成分です。コリンは、記憶や学習に欠かせない神経伝達物質「アセチルコリン」の材料になります。同時に卵に含まれるビタミンB12は、脳の神経機能を維持し、認知症との関連が指摘される「ホモシステイン」の蓄積を抑制します。さらに、卵黄に含まれる「ルテイン」と「ゼアキサンチン」といった抗酸化成分には脳の老化を防ぐ働きも期待されています。卵は、脳を守るために必要な栄養素をまとめて備えた食品なのです。

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