個人国債の税優遇で預金流出の懸念…銀行にとっては頭痛の種に
「個人向け国債の商品性の改善等により、貸し出しの原資となっている銀行預金から個人向け国債への資金シフトが過度に、かつ急速に進むと、我々が責任を持って担っている信用創造機能の発揮を弱めて、足元のニーズが拡大している成長資金の供給等に影響が出る可能性がある」
政府の税制改正要望で、個人向け国債の税制優遇の検討が盛り込まれたことについて、影響を聞かれた全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は、記者会見(9月17日)でこう答えた。
金利のある世界へ移行し、預金獲得競争が激化する中、個人向け国債への税制優遇は、銀行にとって悩ましい問題となっている。
個人向け国債の税制優遇は、国債保有者層の多様化や、個人投資家の資産形成の促進が狙いとされる。
だが政府の本音は、「日銀の国債保有が減少する中、国民により多く国債を買ってもらうことで価格の下落(金利の上昇)を抑えたいという政府の苦肉の策」(市場関係者)と言っていい。
このため政府は骨太の方針で「個人向け国債の魅力向上による国内投資家層の拡大」を掲げ、与野党からは相続税の減免や少額投資非課税制度(NISA)の対象に個人向け国債を追加する案も出ている。


















