個人国債の税優遇で預金流出の懸念…銀行にとっては頭痛の種に
ただ、個人向け国債に他の商品にはない有利な条件を設けることは副作用も伴う。それが冒頭の「銀行預金から個人向け国債への過度な資金シフト」だ。
なかでも懸念されるのは、中小金融機関への影響だ。日銀によると、全国254信金の個人預金残高は2025年度に2年連続で減少した。25年度末の個人預金は前年度比0.3%減の約119兆8000億円だった。24年度末も0.3%減の約120兆1000億円で、2年間の減少額は計約6000億円に達する。
信金の個人預金減少は比較可能な1966年度以降で初めてで、相続を機に預金がメガバンクやインターネット銀行へ移る動きが目立つという。
中小金融機関の苦境はこればかりではない。「長期金利が3%を超え30年ぶりの水準となる中、中小金融機関の国債含み損が拡大する懸念が強まっている。このため金融庁は国債保有量の増減理由や損失を計上する場合の処理方針について聞き取り調査に入っている」(メガバンク幹部)というのだ。
政府の税制改正要望では、個人向け国債への税制優遇は具体的なイメージを記さない「事項要望」にとどまっており、年末に向けて議論が本格化する見通しだ。財務省は個人向け国債の商品性の見直しと新商品の設計を「非常に急いでいる」(関係者)という。


















