介護
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呼びかけに応じない状態でも好きなクラシック音楽が流れると目が輝く
「ごめんなさい、間違えてお渡ししてしまったCDを次回の診療の時に戻していただければとお伝えしましたが、やはり聴いているといないとでは、だいぶ変わるから聴かせたいとご家族がおっしゃっていて、着払いでもいいのでCDを送っていただけませんか...
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医療相談から愚痴まで…患者や介護者の気が軽くなるよう“聞き役”に
自宅での療養を希望される方の中には、その理由として、ペットと一緒にいたいからという方も少なくはありません。 その方は肺がん末期のために通院が難しくなり、在宅医療を開始された75歳女性の患者さんでした。 「はじめまして。...
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認知症の父親がティッシュを食べてしまいます…対応策は?
認知症の親を介護する家族から受ける相談に多いのが、食べ物以外の物を口にする「異食」の症状です。 側頭葉が強く障害されて起きる症状に口唇傾向があり、これは食べられる食べられないに関係なく何でも口に入れる症状で、このうち食べ物以...
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認知症に備え「エンディングノート」に記入しておくべき内容は?
日本人女性の約半数、男性の4分の1が90歳を祝う「卒寿」を迎えているのはご存じですか。日本は世界一の長寿国である一方、認知症の患者数も世界一といわれています。 認知症の発症に備えて準備しておきたいのが「エンディングノート」で...
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患者本人は認知症…治療決定に関わる家族は信条で輸血を拒否
骨髄中の造血幹細胞に異常が起きる骨髄異形成症候群。これを患う84歳の男性の患者さんが、入院している病院からの紹介で、私たちのところで在宅医療を開始することになりました。 骨髄異形成症候群は、正常な血液細胞がつくられなくなるこ...
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スマホを積極的に活用…連絡のやりとりが時代とともに変化
ある日突然、1人暮らしの自宅で倒れ、3日目に隣人に発見された肺がん末期の女性(75歳)が当院での在宅医療を開始されました。 聞けば、ここ何年も医療機関にはかかっておらず、日ごろから近所付き合いもあまりなく、そのために発見が遅...
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認知症リスクをチェックする新しい評価尺度「J-MCI」とは?
前回、認知症の診断に必要な検査の方法についてお話ししました。認知症は早期に診断し、早期に治療を開始すると、病状の進行をある程度遅らせられると知られています。一方、ある調査では「認知症の症状が見られ始めてから病院を受診するまでに平均4...
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ねぎらってくれてありがたくて…母親の介護をする家族からの電話
それまで介入していた他の在宅医療クリニックの対応に不信感を持った娘さんから、当院に連絡をいただいたのでした。患者さんは娘さんのお母さまで、パーキンソン病を患う75歳女性。 娘さんは医療従事者で患者さんの家の近くに家庭を持ち、...
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40代男性からの電話「コロナ後遺症で倦怠感がひどく病院へ通えません」
「コロナ後遺症外来で、フリーテストステロンが5.8と低くて、男性更年期障害って言われました。今後治療を始める予定ですが、倦怠感がひどくて、後遺症外来に行けるのかわかりません。そちらの在宅医療で、男性更年期障害の治療は可能でしょうか?」...
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義父の干渉で、義母が検査や治療を積極的に受けたがらない
「頭がすごくぐるぐるしてて、吐きそうで吐けない感じの気持ち悪さがあるんです」 電話の主は70代の女性。旦那さんが指定難病の筋ジストロフィーを患っており、2人暮らしです。症状から念のため精密検査が必要と判断し、病院を紹介。奥さま...
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認知症を狙った訪問販売が増加中…契約を取り消す方法は?
1人で暮らしている認知症の母の様子を見に行ったら、高額なサプリメントをいくつも購入していた──。近年、認知症の方を狙った悪質な「訪問販売」が増えています。実際、昨年5月に認知症と診断を受けている高齢者につけ込み、訪問販売でガスや電気...
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笑顔で最期を迎える…大切なのはおカネより「思い出」なのです
私は、親を介護した子供や、家業や工房などを継ぐ子供、そして国民の生活を支える農林水産業に従事する人などには財産を継承させてもいいけれど、それ以外の人には遺産を継がせず相続税を100%にすればいい──。かねてそう主張しています。 ...
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末期がん90代女性「一人娘とは絶縁状態で会うこともできない…」
「私は身寄りがいるようでいない。娘が一人いるんだけどね、疎遠になって会うこともできない」 肺がん末期の90代の独居女性。私たちが自宅に伺った時、開口一番こう言いました。どちらかというと自暴自棄になっているように見受けられました...
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能登半島の高齢化率は50%…被災地の医療支援が急速に難しくなった
能登半島地震が発生してから1カ月が経過した。私が医師になってから関わる3回目の震災だ。最初は阪神・淡路大震災で、実家が被災した。次は東日本大震災。福島県浜通りの医療支援に関わっている。そして今回だ。 震災支援は急速に難しくな...
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発達障害が認知症と誤診されやすいのはなぜか…その特徴とは?
高齢者の発達障害が、認知症と誤診されやすいのはご存じでしょうか。2022年9月、熊本大学の研究で認知症専門外来を認知症疑いで受診した患者446人のうち、7人は発達障害であったと報告されました。実際、当院でも物忘れの症状で認知症を疑い...
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誤嚥のリスクが多少あっても好きなものを食べさせてあげたい
「本日診察しまして、ご本人はおいしくないからとペースト食ではなく、普通の食事がいいと相談を受けました。それがだめなら、せめて主食はお粥がいいとおっしゃっていました。多少リスクはありますが、普通のおかずよりはお粥のほうがイレウス(腸閉塞...
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日本生命は最大手ニチイHDを2100億円で買収…介護業界の倒産・廃業が今後激増するワケ
日本生命は昨年11月、介護事業最大手のニチイ学館の親会社ニチイホールディングスを約2100億円で買収することを発表した。大手生命保険会社の介護事業への参入は、第一生命が介護施設の不動産投資へ本格参入したのに続き2社目となる。 ...
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視力が下がると認知症になりやすくなるのはどうしてか?
昨年7月、アメリカのミシガン大学が71歳以上の高齢者約3000人を対象に視力検査や認知機能検査を行った研究で、視力の低下は認知症の発症リスクを上昇させると明らかになりました。なかでも近く(手元)を見る視力に問題があるグループでは約2...
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認知症の母を可能な限り自宅で過ごさせてあげたいと思っていたけれど…
ご主人を在宅で看取った経験がある95歳の女性。認知症を患っており、さらに胃がんの末期。「母は最期まで自宅で過ごすことを希望するだろう」と、息子さん、娘さんが在宅医療を選択されました。 「ご加減いかがですか」(私) 「ベッ...
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ケアマネジャーは介護を仕切る司令塔 在宅看取りの重要なキーパーソン
自宅での介護や看取りを希望していても、本人と家族だけでなんとかなることはあり得ません。医師や看護師、ケアマネジャー(ケアマネ)らの医療スタッフ、さらに介護スタッフとの連携と協力が不可欠です。 極端な話、本人の希望通りに在宅で...
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進行性大腸がんの50歳男性の「最後の願い」をかなえるために
在宅医療を開始された50歳の男性。進行性大腸がんで、肝臓、リンパ節、骨へ転移。がんの進行が速く、いつなにがあっても不思議ではない状況でした。 最終的に在宅医療を選ばれた理由は、ただただ病院での入院生活では話し相手がおらず寂し...
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地域で実施されている「認知症予防教室」ってなんだ?
総務省統計局によると、今年9月時点でのわが国の総人口のうち、高齢者が占める割合は29.1%で、過去最多を記録したとのことです。近年の超高齢社会への突入に伴い、各市区町村ではさまざまな地域支援事業が行われています。 そのひとつ...
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介護施設の下調べは大切 体験入居は「やりたいことができるか」で選ぶ
政府が在宅死という流れをつくろうとする背景に触れながら、最期を迎える場所として介護施設をお勧めすることを説明しました。ところが、介護施設は玉石混交だけに、入念な下調べが不可欠です。今回は、その点について紹介します。 介護保険...
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体調、薬、家庭環境まで…在宅医療の診療所ではさまざまな電話相談に対応
「目を離したすきに、母が自分で痛み止めの麻薬を一気に4つも飲んでしまったみたいなんです。なにか気をつけたほうがいいことはありますか? いま本人は特にいつもと変わりないのですが……」 24時間診療に対応している私たちの診療所では...
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認知症の親が施設入居を拒否するのはなぜか…具体的な促し方は?
「認知症と診断されたプライドの高い父が、施設への入居をかたくなに嫌がっています。どうすればいいでしょうか」──。ご家族から相談を受ける機会の多い質問のひとつに、施設入居の拒否があります。 認知症が軽度の場合は認知機能が保たれて...
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「在宅死」を勧める政府にダマされない 介護施設の選択が決して悪くないと言える理由
前回、在宅介護と在宅看取りの違いを説明しました。その背景には、政府の思惑が絡んでいることをご存じでしょうか。今回は、その点に触れながら、ポイントを解説します。 介護が必要で自宅で世話をし切れないケースは1990年代半ばまで入...
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夫の最期を共に過ごすために妻は「介護休業」を活用した
その方は前立腺がんを患い、リンパ節や骨転移もされている還暦前の患者さんでした。 すでに終末期と言われていましたが、本人は職場には何も知らせずに普通に仕事をしていたとのこと。ある日、呼吸困難を起こして病院へ救急搬送、入院となり...
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「在宅看取り」と「在宅介護」は似た言葉にあらず…決定的な違いを理解すべき
2017年に行った厚労省の調査によると、8割が「自宅」で最期を迎えたいと回答。病院や高齢者施設との回答は少数派で、多くの人が住み慣れた場所で自分らしく最期を迎えたいと考えていることが分かります。 家族がいる人にとっては、最期...
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慢性腎臓病の50歳男性「墓参りで死んだ両親に会ってきた。早くそっちに行きたい」
「ばい菌が入ったら最悪足を切らなきゃいけないって言われたんだよね」 形成外科病院に通院しながら、私たちのところで在宅医療を開始された50歳になる1人暮らしの患者さんがいました。 その方は糖尿病、壊死性腸炎、慢性腎臓病を...
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認知機能の低下を防ぐ「知的活動」の具体的な方法は?
認知機能の維持や向上には運動が有効だとご存じの方は多いでしょう。ただ、効果をより高めるには、併せて記憶力、言語能力、判断力、計算などの「知的活動」を行う必要があります。 2013年、米テキサス大学ダラス校の研究者らによると、...