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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

息子さんが介護に非協力的…傷つける発言が目立つが何とかならないか

公開日: 更新日:

「お母さんの介護に対して、息子さんがあまり協力的でないんです」

 ある患者さんのご家族について、訪問看護師からこんな相談を受けたことがあります。

「常に患者さんに対して否定的。『寝すぎなんじゃない?』など病気で悩んでいる患者さんの心を傷つけるひどい発言が目立ちます。息子さんに、お母さんの病状が思っている以上に深刻だということを、もう一度説明していただけますか」

 患者さんは大腸がん末期の62歳の女性。がんの組織は大腸を突き破り、腸管から出血しているため輸血が必要です。そこで在宅医療で輸血をしている当院が病院から紹介され、当院で在宅医療を開始することになったのでした。

 アルコールの多飲歴もあり、それによるアルコール性肝硬変も患っておられますが、それでも頻繁にいまだにアルコールを飲まれたり、たばこもたしなんだりと、ご病気がありながらも自宅で自由気ままに暮らされていました。それでも時折、がんの痛みが増して我慢できなくなったときなどは、「こんな痛みには耐えられないよ……いっそ死んでしまいたいよ」などと訪問看護師に弱音を吐くことも増えるようになっていったといいます。

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