著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

末期すい臓がんの58歳男性「まさか自分が延命治療の対象になるとは…」

公開日: 更新日:

 すい臓がん末期であり腹膜播種と診断された58歳男性が、最近、在宅医療を開始されました。

 この腹膜播種という言葉は、一般にはあまりなじみがないかもしれません。胃がんや卵巣がんで亡くなられる方の半数近くが、この腹膜播種による症状だといわれており、決して珍しい病気ではありません。

 人間の腹部には、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のうなどの消化器官、女性ならばさらに卵管、子宮といった臓器があり、大きな袋状の細胞層で包み込まれています。それを腹膜と呼び、腹膜播種とはそれら臓器の内側にある粘膜から発生したがんが成長し、畑に種をまくようにがんがバラバラと散らばり、臓器の壁を突き破って広がる病態を指しています。

 まだ働き盛りのこの方は、今年の6月の健康診断で初めてがんの疑いがあるとの診断を受けたとのことでした。自営業の仕事が忙しく精密検査を受けられないまま時が過ぎ、9月のはじめに急に体がしんどくなって動けなくなり、入院。検査を受けたところ、末期がんで、予後(余命)3カ月と医師から伝えられたというのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が急失速か…参院選「台風の目」のはずが賛同率ガタ落ち、他党も街頭演説で“攻撃”開始

  2. 2

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  3. 3

    中日についてオレが思うことを言っちゃおう。一向に補強もせず、本当に勝ちたいのだろうか

  4. 4

    BoA、五木ひろし、さだまさし、及川光博…「体調不良で公演中止」が相次ぐ背景

  5. 5

    5周年のSnow Man“目黒蓮独走”で一抹の不安…水面下のファン離れ&グループ内格差

  1. 6

    参院選神奈川で猛攻の参政党候補に疑惑を直撃! 警視庁時代に「横領発覚→依願退職→退職金で弁済」か

  2. 7

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  3. 8

    教え子の今岡真訪が蹴った“倍額提示”…「お金じゃありません」と阪神入りを選んだ

  4. 9

    兵庫県警まで動員し当局が警戒…NHK党・立花孝志党首の“あり得ない”参院選の街宣ぶり

  5. 10

    巨人無残な50億円大補強で“天国から地獄”の阿部監督…負けにお決まり「しょうがない」にファン我慢限界