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岸山真理子ケアマネジャー

1953年静岡県生まれ。大学卒業後、30代まで単純労働の現場を渡り歩く。38歳での出産を機に正規職員の仕事を求め、介護職員に。その後、47歳でケアマネジャーになり、以来20年以上にわたって介護現場の最前線で奮闘する。毎朝のストレッチを欠かさず、真剣に「88歳現役」を見据える。「ケアマネジャーはらはら日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

「90代の就活」に挑んでいた渡辺さん…その意欲を思い出し、元気づけられた!

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 私は71歳。ある零細な居宅介護支援事業所で常勤のケアマネジャーをしている。ちなみにケアマネジャー(介護支援専門員)とは、居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、施設などに所属し、介護や経済問題に悩む人びとの相談に応じながらケアプランを作成するのが主たる業務だ。

 私はあるとき、ワケあって他の事業所に移りたくなった。就活を開始したものの年齢のせいか面接にさえたどりつけない。「この年でもう転職は無理なのか」とあきらめかけそうになったが、ふと、以前出会った渡辺俊彦夫妻のガッツを思い出した。

 かつて私は、高齢者のよろず相談所と呼ばれる地域包括支援センターで10年間、主任ケアマネジャーとして働いた。当時83歳の渡辺俊彦さんから「相談に乗ってほしい」という電話をもらったのは、2011年5月のことだった。

 県営住宅でひとり暮らしをしていた渡辺さんを訪ねた。

「タクシー会社で運行係をしてきましたが、所長の交代をきっかけに年だからって理由でクビになりました」

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