介護
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(18)ただ話を聞いてくれる人がいるということが大きな支えになった
母の突然の認知症の診断、コロナ禍で接触できず叔母たちに頼るしかない状況、「なぜ入院させたのだ」と怒り狂う父。父自身もその頃はかなり体調が悪かった。それなのに、病院に行くこともヘルパーを頼ることもかたくなに拒否し続けた。 実家...
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いざという時に役立つ電話番号リストを作り、目立つ場所に掲げる
親の高齢化が進むにつれ心配になるのが突発的な健康問題だ。自宅で急に調子が悪くなったら、しっかり対応できるのか。持病や処方されている薬のことを他人に説明できるのか。離れて暮らしているほど心配のタネはつきない。いざという時に、本人たちだ...
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すい臓がんの84歳女性「遊んでいる子供たちの姿から元気をもらえる」
訪問診療の診察時などに、患者さんから最近楽しかったことや、待ち焦がれていることなどをうかがう機会がよくあります。中には我々に話をしたくて診察日を楽しみにして待っていらっしゃる方もいて、いざお話を始めるとお体に障るのではないかと心配し...
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よくある介護の悩み(4)ひとりでトイレに行けなくなってしまった…改善できるのか
トイレ=排泄に関する相談も多く寄せられます。自分で排泄の管理ができなくなると、汚染が進んで清潔を保てなくなり感染症などのリスクがアップします。何より「人間の尊厳」に関わってきますので、介護する家族にとって精神的に大きな負担になってい...
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高齢者をターゲットにした悪徳商法に気を付けよう
悪徳商法の勧誘は今も昔も全国各地で行われている。高齢者を対象にしたもので近年増えているのが「催眠商法(SF商法)」だ。 催眠商法とは、さまざまな手段で消費者の判断を誤らせて販売する手口のこと。こんなケースがよくある。まずは、...
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認知症を発症しても充実した人生を!中等症で知っておくべきこと
認知症は内容や進行度で、軽度、中等度、高度の3段階があります。もしかかった医療機関が外来で薬だけ渡し、「あとはケアマネジャーさんとやりとりして決めてください」というようなところであれば、非常に残念なことです。認知症を発症しても、人生...
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超高齢社会の行きつく先は…介護の世界は、現場従事者の奮闘だけが頼りになりつつある
前回に続き、介護の世界で献身的に働くひとりの女性の話。私がケアマネジャーとして勤務する居宅介護支援事業所に併設している訪問介護事業所の責任者、35歳の沢田麻衣さんについてである。 彼女は1日平均、8人の利用者の家を訪問してい...
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患者さんのさりげない感想も治療方針に生かせるのが強み
普段から在宅医療の現場では、患者さんやご家族と対話を重ね、意思の疎通を図るように努めています。そうしなければ患者さんにとって本当の意味での、テーラーメードな自宅療養は実現できないからです。 患者さんやご家族がさりげなく口にし...
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よくある介護の悩み(3)年をとって歩けなくなった…また自力で歩けるようになるでしょうか?
また元気にひとりで歩きたい。子供たちに迷惑をかけないで、ひとり暮らしをしたい……そう希望されて相談に来られる高齢の患者さんがたくさんいらっしゃいます。 脳卒中などの脳の病気による後遺症、膝や股関節の障害、骨折、手術後の廃用症...
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配食、見守り、ごみ出し支援…高齢者向け行政サービスを活用しよう
離れて暮らす高齢の親の心配を始めると、あれもこれもとキリがなくなる。かといって頻繁に様子を見に行くこともできない。 日常生活に危険がないか、急な体調変化にどう対応するか、自動車や自転車の運転が安全にできているのか--心配のタ...
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若きヘルパーに突き付けられる現実
私がケアマネジャーとして働くNPO法人の居宅介護支援事業所は、訪問介護事業所を併設している。訪問介護の責任者は沢田麻衣さん。35歳、独身だ。小柄でスリム、色白の童顔、清楚という言葉がぴったりの女性である。1年前、年配のベテランヘルパ...
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在宅医療を受けている患者の容態が急変…救急車を呼ぶか否か
在宅医療を行う当院では、患者さんを自宅で最期まで看取るということを重視しています。 自宅で患者さんの容体が悪くなり、焦ったご家族から電話をいただくことがありますが、その場合まずは落ち着いていただき、慌てて救急搬送を要請しない...
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昔はこうじゃなかったのに!親をつい怒ってしまう…どうすればいい?
喧嘩を好んでする人はまずいない。それが親子ならなおさらだ。そもそも子が学生のうちは喧嘩というより「怒られる」方が多かったはず。働くようになり、自分も子を持つようになると「親のありがたさ」を痛感しつつ、対等の喧嘩ができるようになるもの...
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「なぜ、こんな乱暴者に…」過酷な認知症の夫の介護。そして妻は倒れた
利用者にとって最善の介護サービス事業所を探し出し、的確なケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、利用者と家族の暮らしを整える--。それが、ケアマネジャーの果たすべき役割だ。だが、私が担当する85歳の桑野義昭さんへの支援に関しては、...
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【みまもりホットライン】電気ポットの使用履歴を1日3回メールで通知
「みまもりホットライン」は、電気ポットを利用した見守りサービスだ。今年で24年を迎える。サービス開始時、同様の商品は世界に類を見なかった。開発のきっかけになったのは、1996年に起きた事件だった。 「池袋の自宅で高齢の親子2人が...
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台風19号で避難の勧め 自宅から離れたくないと頑なだった男性が「では、行きますか」と…
当然のことだが、感染症の蔓延や自然災害などの際であっても、介護サービスを停滞させるわけにはいかない。中断させないよう準備するとともに、中断した場合でも業務の復旧を実現するための体制づくりや手順を示したものを「業務継続計画」という。計...
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なぜ自宅で過ごすことを決め、理想の最期が「家」なのか…患者に確認する
さまざまな患者さんと接する中で、まず最初に確認する大切なことは、なぜ患者さんが自宅で過ごすことを決め、理想の最期が家なのかというその理由なのです。 それは時に本人のささいな生活習慣であったり、その人の人生における大切なこだわ...
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重度認知症の彼らがよく使う「怒られる」という言葉の意味
私が初めて重度認知症の人から話を聞いたのは敬子さんだった。あらぬ方向を見つめてはぼんやりしていて、ほとんど口を開かなかったが、たまたま彼女が大好きな自転車を話題にしたことがきっかけで話をすることになった。ただ数分もすると忘れるから、...
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患者と家族の双方の負担を減らす「ショートステイ」と「レスパイト入院」
ショートステイやレスパイト入院をご存じでしょうか? これらは、自宅で療養中の患者さんが、一時的に介護施設や病院で療養したり介護を受けられたりするサービスです。在宅医療を行うご家族の介護の負担を軽減し、介護疲れを癒やすため、...
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実家が空き家になったらまず考えるべきこと…ライフラインはどうする?
親が介護施設などに入所し実家が空き家になると、さまざまな問題が浮き上がる。それを解決するために動くのは子供たちなのだが、イザとなると即決しきれないことが多々あるものだ。 例えば電気、ガス、水道などのライフライン。単純に考えれ...
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大家さんを支えていた早苗さん 老親介護、難病の義妹の看病、コロナ感染家族の世話に大奮闘
いまから4年ほど前、新型コロナウイルスのクラスターが発生したころ、私の周囲も危機的状況に陥った。高齢者施設では、感染した入居者の世話をしていた介護職員たちが感染してしまうことがあった。それでも介護職員は働き続けたため、「陽陽介護」と...
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遠距離の介護帰省の費用を抑え、効率よく回るためのポイント
前回、遠距離介護の交通費を抑える方法について触れた。今回はさらにひねった航空会社の交通費節約の技をご紹介したい。 ひとつは航空券だけでなく、ツアーにして宿泊を組み合わせる方法だ。 実家に帰るのに宿代は余計な出費になる...
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家族が認知症を発症したという現実を受け止められない
先日、書籍を紹介するテレビ番組で有吉佐和子さんの小説「恍惚の人」が紹介されていました。 出版時の1972年では珍しい、仕事と家事を両立させている女性が認知症を患った舅(しゅうと)を介護する話で、タイトルが流行語にもなるほどベ...
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(10)突然の「明日退院」。父は頼りにならない…母の面倒はだれが
様子がおかしくなっていた熊本の母は、クリニックでレビー小体型認知症と診断。数日後に熱中症で倒れ、救急病院に運ばれた。私はすぐに熊本に飛んだが、コロナ禍で母には会えなかった。入院の手続きだけし、その日のうちに帰京。しかし約10日後、「...
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高齢者が健康を保つ「栄養」と「食事」で大切な基本はなにか
「今後の健康を保つためにはどんな食事がいいのでしょうか?」 ある60代の方からこんな質問がありました。また、80代の方々からも「80歳を越えましたが、どんな食事をとれば健康を維持できるのでしょうか?」といった質問をよくいただき...
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一人で暮らす老いた親の「ヒートショック」を防ぐ対策法は?
「昨晩、風呂から上がって体を拭こうとしたら、意識を失って倒れたようです。額にできた傷がひどく痛むのですが……」 そう訪問看護師に訴えたのは、80歳になる女性でした。軽度認知障害と診断されてからも住み慣れた家で過ごしたいと、1人...
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新居に引っ越すまでは自宅にいたい…しかし刻一刻と容体は悪化して…
私たちが訪問する患者さんのご家族の中には、熟考し覚悟を決めて自宅療養を始めたものの、本当に自宅でよかったのか、それとも病院や他の施設の方が患者さんの苦痛を取り除けるのではないかなど、改めて悩まれる方が少なくありません。 「そ...
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遠距離介護の交通費問題…航空会社の割引制度利用でお得に往復
遠距離介護には往復の交通費問題が常にのしかかる。鉄道、航空、バスなどの公共交通機関は早期購入割引があるとはいえ、介護問題は突発的に起こるのが常。すぐに出発しなければならないケースだと高い運賃しか残っていないことが多い。 しか...
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(7)「家に戻りたい」を叶える在宅・在施設看取りがさらに増える
最近の医療のキーワードのひとつに「在宅・在施設」があります。前世紀なら、自力で日常生活が難しくなった高齢患者は、いわゆる「老人病院」に最期まで入院、というケースがよくありました。 しかし現在は、慢性期の高齢患者はできるだけ長...
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独居の親の「セルフネグレクト」を疑うポイントは?
近年、独居の高齢者で問題になりつつあるのが「セルフネグレクト」です。これは病気や不慮の出来事がきっかけで、食事や入浴、医療機関の受診など、本来、生活する上で行うべき行為をしない、あるいは行えず心身の安全や健康が脅かされている状態のこ...
