高額療養費制度があるから医療保険はいらない? 病院の窓口業務を行う筆者が実際に骨折して感じたこと

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「高額療養費制度があるのだから、民間の医療保険は必要ない」

 そんな話を耳にすることがあります。筆者は普段、病院の窓口業務を担当しています。ときどき「高額療養費制度を使っているのになぜこんなに高額なのか」というご質問を受けることがあります。そこでこの記事では「高額療養費制度」の仕組みと、民間の医療保険を組み合わせるメリットについて紹介します。(取材・文=森佳乃子/ライター)

  ◇  ◇  ◇

 確かに「高額療養費制度」は心強い制度です。医療費が高額になった場合でも、年齢や所得に応じて自己負担額に上限が設けられているため、治療費が青天井になることはありません。

例えば現在、70歳以下の被保険者(国民健康保険や社会保険)は収入によってひと月に支払う医療費の限度額が決められており、5段階に分けられています(図1を参照)。

 限度額を超えるまではかかった医療費がそのまま請求されますが、限度額を超えると上の表に従い計算されるのが「高額療養費制度」の仕組みです。

 私は昨年骨折して手術を受けた際に、この制度のありがたさを実感しました。半年ほど治療を続け、通院は6回。手術は外来で1回と入院で1回。入院は2泊3日でした。入院費は高額療養費制度の適用によって自己負担額が抑えられ、支払ったのは59,900円でした(図2を参照)。

 ここで注意したいのは、「高額療養費制度」が適用されても、それが支払いのすべてではないということです。入院中の食事代は別途必要ですし、手術前後の外来通院費は別計算です。個室を利用した場合は差額ベッド代も発生します。

 私の場合、骨折した当日に整形外科で、さらに入院した病院では入院前に外来で検査を受けました。また、退院後にも終診まで、1ヶ月ごとに診察が必要でした。幸い自分の勤務先の病院で手術をしたため交通費はかかりませんでしたが、最終的な自己負担額は約10万円ほどになりました(図3参照)。

 もちろん10万円で済んだのは高額療養費制度のおかげです。しかし、突然の出費として考えると決して小さな金額ではありません。

 そんなときに助かったのが民間の医療保険でした。支払われた給付金は以下の通りです(図4参照)。

 給付金を受け取ることができたため、治療費の負担を大きく軽減できました。「加入していてよかった」と感じた瞬間です。

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