「2時間で走る」エド・シーサ著 菅しおり訳

公開日: 更新日:

 2011年4月のボストン・マラソンで、ケニアのランナー、ムタイは2時間3分2秒でゴールした。彼は人間の体には42.195キロを2時間未満、つまり〈サブ2〉で走る能力があると信じている。〈サブ2〉に挑戦するために、科学者が長距離走で優位なケニア人の遺伝子を研究したが、遺伝的な根拠は発見されなかった。それよりも彼らの経済的な要因、つまり〈欲望〉に注目すべきだという者もいる。ケニアのランナーには今、ドーピング疑惑がもたれているが、彼らの〈ドーピングシステム〉はあまりに精緻さが欠けているのだ。マラソン競技をめぐるさまざまな問題に肉薄したノンフィクション。増田明美の解説付き。(河出書房新社 1800円+税)



【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか