• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「蟲息山房から」車谷長吉著

 おおつごもりの晩に、夢を見た。会社で私と背中合わせに座っている女が黒い靴下を私の机の上に脱ぎ捨てて、49階の窓から飛び降りたのだ。私は周囲の者からいわれのない追及をされた。飛び降りた女は「湿り顔の鼻ペちゃ」だった。正月2日に相模湖に行ったら茶店から狐が出てきておでんと酒を出してくれた。鏡の中の白骨の男が歌う「雨降りお月さん」を聴いていると、酌をしてくれた狐が「こんな顔でしょうか」と言うので見ると、「湿り顔の鼻ぺちゃ」が透けて見えた。産毛が総毛立った。(「死の木」)

 昨年5月に鬼籍に入った著者の小説、エッセー、俳句、対談、日記などを収載した遺稿集。

(新書館 2000円+税)






日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    太った? 元AKB小嶋陽菜のムッチリ体型にファン容赦なし

  2. 2

    矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ

  3. 3

    河野外相ツイートが炎上 切望した外遊の中身は“観光”同然

  4. 4

    股関節痛め広島視察中止…安倍首相に健康不安説また再燃

  5. 5

    障害年金は支給継続も…非情な政策を傍観した公明党の大罪

  6. 6

    ZOZO社長とW杯決勝観戦 剛力彩芽“はじけっぷり”に心配の声

  7. 7

    DeNA伊藤光を直撃 トレード1週間で即スタメンマスクの心境

  8. 8

    日大アメフト部新監督 立命大OB内定に選手らは拒否反応

  9. 9

    小沢一郎氏の知恵袋が指摘 安倍政権による「内乱」予備罪

  10. 10

    年俸500万円でDeNAへ 中後が語っていたマイナー時代の苦労

もっと見る