「此処にいる空海」岳真也著

公開日: 更新日:

 弘法大師として親しまれている真言密教の開祖、空海の生涯には謎が多い。空海は18歳で大学に入るが2年で中退し、次に姿を現す32歳まで何をしていたか分からない。ひろさちや氏は中国に密航していたと考える。だとすれば、空海が中国語にたけていたことがうなずける。三田誠広氏は、紀州の産地を駆け巡っているうちに水銀の運搬に関わるようになり、このとき手に入れた大金が入唐の費用になったとみる。

 空海は私度僧だったのに遣唐使に選ばれたのも謎だが、語学力を買われ、中国語の通訳として船に乗ったのでは? 

 さまざまな説を俎上に載せながら、空海の生涯の謎に迫るエッセー。

(牧野出版 2700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い