「美麗島紀行」乃南アサ著

公開日: 更新日:

 1544年にポルトガル船が台湾を〈発見〉したとき、そこにはマレー・ポリネシア系の部族が先住していた。多民族多言語の住民が暮らす台湾には統一政権がなかったのだが、その後、スペイン、オランダ、日本、中国などが台湾にちょっかいを出した。現在は客家が多く住む地方もあり、台北の市場には客家の料理に使う食材等が売られている。また、日本統治時代に建てられた神社なども残り、日本人にされた人々は今も美しい日本語を話す。

 摩擦や反発はあっても、異界の者同士が触れ合うことで、独特の熱気が生まれたのではないか。

 隣国なのにあまり知られていない台湾の素顔を描いた紀行文。(集英社 1700円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到