「ラオスにいったい何があるというんですか?」村上春樹著

公開日: 更新日:

 ラオス行きの直行便がないのでハノイ経由にしたら、ベトナムの人に「どうしてまたラオスなんかに行くんですか?」と聞かれた。答えようがない。ラオスにある何かを探すために行くのだ。ルアンプラバンという街で、メコン川をボートで遡ったら、自分という実体がすこしずつ希薄になっていくような不思議な感触があった。川は流れが激しく、かなり濁っていた。レストランでメコン川でとれた魚の料理を食べたが、市場で見た魚の姿はひどくグロテスクで、こんな魚を食べていたのか! と軽いショックに襲われた。(「大いなるメコン川のほとりで」)

 アイスランド、フィンランドなどを旅した印象をつづった紀行文。(文藝春秋 1650円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」