「謎の毒親」姫野カオルコ著

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 和治光世は母の法要を終えた後、学生時代に通った本屋、文容堂に行ってみた。文容堂には当時、「城北新報」という壁新聞が貼られていて、そこには「打ち明けてみませんか」という相談コーナーがあった。今はもうなかったが、光世は自分にとって最大のミステリーだった、両親のことを投稿してみた。父は光世がテレビの映画放映の予告を見て「オムニバス映画だ」と言っただけで激怒して土下座させたし、母はいつも光世を不細工だとけなしていたのだ。手紙を投函した翌日、回答が届いた。

 壁新聞の投稿欄の相談と回答のやりとりで、残酷だった毒親の呪縛から解放される女性の物語。

(新潮社 1600円+税)




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