今日の新刊
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「幕末明治異能の日本人」出久根達郎著
勤倹節約で知られる二宮金次郎は、〈奇智〉の人でもあった。広大な竹林を金をかけずに畑にしたいと相談され、無料でタケノコ掘り放題と触れまわったら、村人が大喜びでタケノコを掘った。その穴に山芋を植え、今度…
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「無戸籍の日本人」井戸まさえ著
著者は再婚後に出産し、市役所に出生届を提出しに行った。そのとき、民法の規定で、離婚後300日以内に生まれた子どもは前夫の子とされることを知った。著者が離婚する以前から前夫とは別居していることを説明し…
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「海洋大異変」山本智之著
現在、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギ。漁獲量が激減しているが、その原因は乱獲と〈河川環境の悪化〉だという。河川をコンクリートなどで人工護岸化したうえ、堰や水門、ダムなどを造って川を分断したた…
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「上を向いたら歩けない」 横山直樹著
現在、日本では格差の拡大が社会問題になっている。従来、株式会社は資本主義の象徴とみなされて、格差を生み出すメカニズムのように考えられてきたが、実際は株式会社は階級対立の発生を緩和する役割を担ってきた…
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「スチールラックのすごい収納」Emi著
「とりあえず家具」の印象があるスチールラックは、棚板1枚当たり耐荷重が100キロ以上あるので、収納に使うと便利。例えば、ハンガーポールを付けると洋服を掛けられるので、使いにくい部屋をクロゼットに変身さ…
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「フェイバリット・シングス」村崎友著
六呂田録郎は推理作家。自分と同名の私立探偵が主人公の小説を書いている。 締め切りが迫ったある日、愛犬を散歩させているとき、女子大生っぽい女になぜかテレビの配線を頼まれた。その夜、突然、頭の半…
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「2020 狂騒の東京オリンピック」吉野次郎著
新国立競技場の建設をめぐる騒動があったが、これは、明治天皇をしのぶために造られた神宮外苑にある国立の施設ということで、思い入れが強いということが足かせになっている。 また、スポーツは心身を鍛…
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「政治家・橋下徹に成果なし。」薬師院仁志著
大阪維新の会は自分たちの実績を紹介するとき、橋下市長就任以前から大阪市債残高の漸減は始まっていたのに、自分たちの実績に見せるなどの情報操作を行っている。 また、経済苦の女子高生が私学助成を訴…
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「美麗島紀行」乃南アサ著
1544年にポルトガル船が台湾を〈発見〉したとき、そこにはマレー・ポリネシア系の部族が先住していた。多民族多言語の住民が暮らす台湾には統一政権がなかったのだが、その後、スペイン、オランダ、日本、中国…
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「私たちはどこまで資本主義に従うのか」ヘンリー・ミンツバーグ著 池村千秋訳
1989年、東欧の共産主義体制が倒れ始めたとき、西側諸国の有識者は資本主義が勝利したと言ったが、そうではない。共産主義体制の国々は政府セクターに権力が過度に集中し、バランスを欠いていたが、西側諸国は…
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「ポンコツ探偵の名推理」滝田務雄著
八房文次郎は腕利きの刑事だったが、大物政治家・久丸の脱税事件捜査で3年前、警察を辞めさせられた。 すっかり落ち込んでいた八房に、皮肉にも久丸と再会する機会がめぐってきた。 元部下の鍋…
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「キッチン戦争」樋口直哉著
フレンチレストランで働く葉月は、ある日オーナーに呼ばれて、自分が料理コンクールの1次選考を通過したことを告げられる。葉月は応募していなかったが、シェフの荒木のアドバイスでつくった料理を、オーナーが葉…
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「チューリップ」ダシール・ハメット著、小鷹信光訳
いつものように目覚めたマーガレットは、階下に下りて黒ずくめの男が台所から出ようとしているのに気づいた。男は留守の夫ガイに、レオニダス・ドウカスがホテルで待っていると伝えろと言って去った。マーガレット…
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「謎の毒親」姫野カオルコ著
和治光世は母の法要を終えた後、学生時代に通った本屋、文容堂に行ってみた。文容堂には当時、「城北新報」という壁新聞が貼られていて、そこには「打ち明けてみませんか」という相談コーナーがあった。今はもうな…
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「蟲息山房から」車谷長吉著
おおつごもりの晩に、夢を見た。会社で私と背中合わせに座っている女が黒い靴下を私の机の上に脱ぎ捨てて、49階の窓から飛び降りたのだ。私は周囲の者からいわれのない追及をされた。飛び降りた女は「湿り顔の鼻…
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「九番目の雲」山岡ヒロアキ著
営業マンの高梨吾郎は37歳。同期の大江は3週間も欠勤していて、未回収の売掛金があるという噂が流れている。離婚した妻が再婚するので、娘の養育費はもう要らないと言ってきたと笑っていたのだが。 独…
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「ラオスにいったい何があるというんですか?」村上春樹著
ラオス行きの直行便がないのでハノイ経由にしたら、ベトナムの人に「どうしてまたラオスなんかに行くんですか?」と聞かれた。答えようがない。ラオスにある何かを探すために行くのだ。ルアンプラバンという街で、…
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「2時間で走る」エド・シーサ著 菅しおり訳
2011年4月のボストン・マラソンで、ケニアのランナー、ムタイは2時間3分2秒でゴールした。彼は人間の体には42.195キロを2時間未満、つまり〈サブ2〉で走る能力があると信じている。〈サブ2〉に挑…
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「明治・金色キタン」畠中恵著
明治21年の春、原田巡査と滝巡査は内務省の神職の護衛を命じられて甫峠寺跡に向かった。そこは明治の廃仏毀釈で廃寺となったのだが、たたりがあるという噂が立っていた。そこにこの寺にゆかりの赤手が探しものに…
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「サンタクロース物語」ョゼフ・A・マカラー著 ピーター・デニス絵 伊藤はるみ訳
世界的に有名人なのに、実はあまり実像が知られていないのがサンタクロースのモデルとなった聖ニコラス。 彼はトルコのクリスチャンの夫婦の子どもとして生まれた。家は裕福だったが、伝染病で両親を亡く…