「道徳の時間」呉勝浩著

公開日: 更新日:

 T県鳴川市で変な事件が続いた。小学校で飼われていたウサギが車にひかれたり、幼稚園児が接着剤で両手を鉄棒にはりつけられた現場に、「生物の時間を始めます」「体育の時間を始めます」というメッセージが残されていたのだ。その後、陶芸家が死亡したが、「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」という落書きが見つかり、同一犯の疑いが出てきた。その頃、ビデオジャーナリストの伏見に仕事の依頼がくる。13年前、鳴川市で講演中に教育界の重鎮が刺殺された事件をドキュメンタリー映画にするというのだ。そのときの犯人は「これは道徳の問題なのです」と語った。

 第61回江戸川乱歩賞受賞作。(講談社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」