「70年代シティ・ポップ・クロニクル」萩原健太著

公開日: 更新日:

 70年代、ロックという外来文化に日本語を絡ませようと、多くのシンガーがチャレンジした。日本語の発音を根底から覆すような矢沢永吉の歌声に、著者は何か大切なものを破壊されるような快感を感じたが、この快感を芸術的な域にまで高めたのが桑田佳祐だ。桑田は日本語に誰も想像しなかったグルーブ(ある種の高揚感)を与えた楽曲群を、歌謡ポップス主流の音楽シーンで大ヒットさせた。それ以後、ロックは歪んだ日本語で歌われるようになり、主流の歌謡曲と傍流のロック、フォークが一気に交わったのだ。70年代の日本のポップ・シーンを15枚の名盤で語る70年代シティ・ポップ論。(Pヴァイン 1700円+税)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ