(8)なぜ、年を取ると昔の夢を見ることが増えるのか
ただし、「老化が進んだ人ほど昔の夢を見る」ということが科学的に完全に証明されているわけではない。夢の内容には、生活環境、心理状態、睡眠の質、人生経験など多くの要素が影響する。
むしろ重要なのは、年を取ることで脳が単純に衰えるだけではないという点である。新しい情報を処理する能力は低下する一方、長い人生で蓄積した膨大な記憶は残り続ける。夢は、その人が歩んできた人生の記憶を夜ごと再構成する、いわば「脳の回想装置」とも言える。
近年の研究では、このような脳の映像を作り出す能力は、夢だけに限らないことが分かってきた。じつは、「目から入る情報」が少なくなったときにも、脳は内部に保存された記憶を使って映像を作り出すことがある。 =つづく



















