「未来永劫結婚ナシの女でもズルズルと…」40男が虎視眈々と待つ恋人の怒りが爆発する日
41歳、結婚してもいいと思ったけれど
「冷酷と激情のあいだvol.195〜女性編〜」では、結婚前提で交際を始めた恋人と、交際1年を過ぎても具体的な進展がないことに、強い苛立ちを隠せなくなっている奈々恵さん(38歳・仮名)の苦悩をお届けしました。
では、奈々恵さんの恋人であるケンゴさん(41歳・仮名)は、今のふたりの関係や未来について、どのような考えを抱いているのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「最初は、結婚してもいいかな〜って思って付き合い始めたんですけど、一緒にいる時間が増えてきたら、なんか違うなって悟っているだけです。それ以上でも、それ以下でもないですね」
淡々とした口調で、こう切り出したケンゴさん。今の恋人との関係には、交際期間が長くなるにつれて不満が募っていると話します。
面倒な話し合いはしたくない
「俺、面と向かって文句とか言わない性格なんですよ。
歴代の彼女に対しても、嫌だなって思うところがあっても、指摘したことは一度もないです。
だって、嫌なら別れればいいだけじゃないですか?
いちいち指摘して、変な空気になるくらいだったら、時期が来たときに俺から離れればいいだけなので、面倒な話し合いは絶対にしたくないんですよね。
奈々恵に関して言えば、思っていたよりも衛生観念が薄いとか料理がうまくないとか、掃除が下手とか、まぁ色々ありますけど、要するにフィーリングですね。
あ、この人との結婚はないなって、俺の中で答えが出ただけの話です」
別れるタイミングがない
ケンゴさんは、奈々恵さんと結婚前提で付き合っていることに対して「早まった」と感じているといい、このままズルズルと交際を続けても「俺の気持ちが前向きになる可能性は、限りなくゼロに近い」と確信しているのだとか…。
「ならば、早く別れればいいじゃん? って思うかもしれませんが、話はそう簡単じゃないんですよ。
とりあえず喧嘩もないし、会えばフツーに仲良く過ごすし、Hだってフツーにしています。そういう関係から『別れようぜ』って言ったって、奈々恵がOKしてくれるわけないじゃないですか。
じゃあ別れ話につながるような雰囲気にすればいいって思うかもしれないですけど、さっきも言ったように、俺は波風を立てるのが嫌いだから、あえて険悪な雰囲気は作りたくないんですよね。
そうなると、なかなか別れるタイミングが来ないんで、まぁ今みたいな感じでズルズルと続いちゃうんです」
恋人がキレてくるのを待つ
奈々恵さんだけでなく、これまで交際をしてきた彼女に対して、同じスタンスで臨んできたケンゴさんは、自分から別れ話を出したことはこれまで一度もないとのこと。
そのため、今回も奈々恵さんから別れ話をしてくれるまでは、じっくりこのまま交際を続けていく覚悟でいるそうです。
「これまでの彼女は、どこかで自爆してくれて俺にギャーギャーと文句を言ってきたから、そのタイミングでうまく別れることができました。
奈々恵は穏やかな性格だし、普段から俺に文句や愚痴を言う人でもないから、なかなか手強そうな気はしますけど、それでもきっとどこかのタイミングで『結婚前提なのに、どうして結婚しないのか?』ってキレてくるんじゃないかな。
そのときが、別れどきですかね…。タイミングを誤ると、こういう話って拗れちゃうと思うから、うまく別れる方向に持っていきたいっていうのはありますね。
まぁ、気持ちが冷めきっているわけではないんで。フツーに付き合っていくだけなら、奈々恵に対して特別に大きな不満はありませんから」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。
少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)